松下幸之助が大切にした「反省」 ~成長しつづけるために~
2014年01月15日 公開 2024年12月16日 更新
失敗を自らの成長の糧にする。誰もが思うように、松下幸之助もそうありたいと願いました。成功すればそれは運のおかげ、失敗は自分のせいと考え、事あるごとに反省をくり返しました。さらには成功のなかにも、小さな失敗があると考え、その失敗をも自らに生かすよう心がけたのです。
《特設サイト『松下幸之助.com』 今月の「松下幸之助」より一部を抜粋》
月初に年初、月末に年度末……。その折々に、心を新たに、自らの言動を省みる。そうして得ることのできた自分なりの答えを次に生かして、成長の糧としていく。この「反省」という行動を、日本人は経営のなかにも活用してきました。営業部門での朝礼や夕会、生産現場ではQCサークルなど、反省をおこなう場をつくり、巧みに生かしてきたのです。またそうした風土があって、「カイゼン」活動なども生まれてきたのでしょう。
松下幸之助も同じく、経営者として、年初の経営方針発表、月次の決算、何周年を記念した催し等、さまざまな機会(タイミング)を活用し、ともに働く社員の心を合わせていくことに積極的でした。さらには、なにか失敗を経験するたびに、まず率先垂範して自らの責任を問い、反省し、即座に立ち上がる。そうした姿勢をみせることが、結果として社員の士気を鼓舞することになり、自社の成長・発展にもつながっていったのです。
欧米の企業風土においては、日本人のように、つい「反省」してしまう姿がかえって自らの過失を認めるものと受け止められ、責任をとらされるといったケースもあるといいます。ですから、グローバル社会で生きる術として、「反省」も、時と場所と場合を考える必要があるでしょう。しかし自らの心のなかでおこなう「内省」は、この限りではないはずです。
松下がいう「反省」もたいていそうした内省を指すのであり、本人は「自己観照」ともいいました。「悩んでも悩まない」「困っても困らない」……松下の数々の言葉は幾度となく内省をおこなうなかで生まれてきた実感だったのでしょう。
また松下は、内省をするときに、自らに言い聞かせる、自らを励ますということにも努力していました。「自分は運が強い」「経営はうまくいくようになっている」といった信念を培ううえでも、内省は大いに生かされたわけです。そして首尾よく成功したとしても、さらに以下のように考えるようにしていたといいます。
自分の成功は運のおかげと言い聞かせ、謙虚にその成功を見つめなおす。すると案外、反省し改善すべきことがみつかる。そこに気づいて、地道な反省を積み重ねていくことで、成長し続けることができたのです。
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