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櫻井孝昌×和田彩花 特別対談~PHP新書『乙女の絵画案内』刊行記念 

2014年02月28日 公開

櫻井孝昌×和田彩花

やっぱり印象派はすごい

櫻井 『乙女の絵画案内』を読みながら、あらためて印象派っておもしろいなと思ったよ。

和田 私も、印象派って闘う集団だったんだなあと、この本をつくるなかで気づきました。印象派のなかにもさまざまなキャラクターがいて、そのキャラクターがわかってくると、もっとおもしろくなるんです。

櫻井 印象派が出てくる少し前にはアングルというすごく絵がうまい人がいて、保守的な意見が圧倒的だったのに、それを印象派が覆した。日本の戦国時代や幕末に通じるドラマを美術史に感じたよ。

和田 美術史って必ず対比されるものが現れますよね。アングルと印象派みたいに。やっぱりライバルがいることで、絵が進化するのかなあと思います。

櫻井 そうかもしれないね。

和田 西洋美術史を考えるときって、印象派以前と印象派以降で分かれるような感覚ですよね。

櫻井 印象派展は、サロンという保守の対抗勢力があったからこそできたわけで、逆にみんなウェルカム、何でもいいよといった状態だったら、印象派も生まれなかったかもしれない。

和田 ライバルはどんなときも必要ってことですね。

櫻井 結果として、この本では印象派をたくさん取り上げることになったし、印象派って美術史の中で、存在感があるよね。

和田 はい。なんかもう宇宙人みたいです(笑)

櫻井 その印象派に、じつは日本の浮世絵が影響を与えていたってすごいよね。

和田 すごいです。そう考えたら、宇宙人に影響を与えた日本という国が、ますます気になってきます!

 

「女性が描かれた絵」から見えること

櫻井 『乙女の絵画案内』で取り上げた絵はあやちょが選んだものだったけど、どれも女性が描かれている絵だったね。

和田 テーマを決めて見ていくと、それまでわからなかったものが見えてきますよね。この本では「女性が描かれている絵」という切り口を提案してみました。女性が描かれている絵って「かわいいな」と思うところがいっぱいあるし、なんだか物語が始まる感じがするんです。

櫻井 絵に対して自分の好きな見方をしたり、テーマを決めて観ていくっていうのは、美術史を勉強するにあたっていいのかもしれないね。

和田 描かれた女性たちの服だけを見てもいろいろなことがわかりますよね。その絵が描かれた時代のこともそうだし、絵に対する想像もふくらみます。

櫻井 それと、あやちょが選んでくる絵がバラエティに富んでいて、じつにおもしろかった。一見バラバラのように思えて、全部通して読むと、日本と西洋の美術史がわかることにも感動したなあ。

和田 少しネタばらしをすると、この本では日本近代の有名画家、黒田清輝の『湖畔』も取り上げています。これが今回、いちばん悩んだ絵だったんです。まるでまちがい探しをするかのように、絵をずっと見ていました。なんでこの絵を日本人が描かなくちゃいけなかったのかなっていろいろ考えて。

櫻井 そのあたりのあやちょが考えたことは、ぜひ本でじっくり読んでいただきたいいね。

和田 絵は人が描くもので、だからそこにはいろんな物語があると思うんです。だから、美術史は勉強すればするほど楽しくなってきます。新しい発見が、次々に絵のなかでできるんです。

櫻井 小林かいちという、大正時代に活躍したデザイナーは、存在自体をあやちょに初めて教わった。

和田 私もこの本をつくったことで、日本の絵の好きな範囲がぐっと広がりました。浮世絵にもハマりましたし。以前の私もそうでしたが、西洋の絵画に比べて日本の絵画は日本人にあまり観られていません。でも、どちらも素敵だし、ちょっと忘れがちな日本という国のすばらしさにも、『乙女の絵画案内』で気づいてもらえたらうれしいです。

 


櫻井孝昌(さくらい・たかまさ)  
コンテンツメディアプロデューサー、作家、デジタルハリウッド大学大学院特任教授

1965年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社にて書籍編集に携わる。その後、数々のメディア、イベントでプロデュース、ディレクションを展開。世界25ヵ国延べ120都市以上で講演、ファッションショープロデュースなどの文化外交を実施中。アニメや原宿ファッションを用いた文化外交のパイオニア的存在。世界各国の日本イベントにゲストとして招かれることも多い。外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員、外務省ポップカルチャー(ファッション分野)における対外発信に関する有識者会議委員などの役職も歴任。
『世界カワイイ革命』『日本が好きすぎる中国人女子』(以上、PHP新書)、『アニメ文化外交』(ちくま新書)ほか著書多数。新聞、雑誌、Webマガジンなどで連載中。ラジオパーソナリティの顔も。  

 

和田彩花(わだ・あやか)
アイドルグループ「S/mileage」(スマイレージ)のリーダー

1994年群馬県生まれ。2004年「ハロプロエッグ オーディション2004」に合格し、ハロプロエッグのメンバーに。2010年『夢見る15歳』でメジャーデビュー。同年に「第52回 輝く!日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞する。「SATOYAMA movement」より誕生した鞘師里保(モーニング娘。)との音楽ユニット「ピーベリー」としても活動。テレビ、雑誌、舞台、ライブなど多方面で活躍中。
共同通信で美術館を巡る連載「アート・マイレージ」を担当するなど、絵画への関心が高く、大学で美術史を専門に学んでいる。最近では日本の仏像・絵画に関しても積極的に発言している。

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