1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. 「コミュ力」を上げて人間関係の悩みを解消しよう

生き方

「コミュ力」を上げて人間関係の悩みを解消しよう

和田秀樹(精神科医/国際医療福祉大学大学院教授)

2015年11月13日 公開 2022年09月29日 更新

「コミュ力」を上げて人間関係の悩みを解消しよう

多くの人を悩ませる「人間関係」。精神科医の和田秀樹氏は、人間関係の悩みは何歳になっても尽きることはないと明かします。職場や、ネット上での人間関係に落ち込んだ時、私たちはどのように対処すればよいのでしょうか。

※本稿は、和田秀樹著『すぐに人間関係がラクになる本』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。

 

仕事も人生も、悩みのタネは人間関係が9割

仕事も人生も、悩みのタネは「人間関係が9割」といわれます。そして人間関係で行き詰まると、「周りの人はすべてのことがうまくいっているのに、自分にはいいことが起こらないになどと落ち込む場合も少なくないようです。

精神医学の立場から言うと、人間は気分が落ち込むといろいろなことを悲観的に考え、ハイなときには楽観的にもなれるし、積極的にもなれるとされています。

すると、イヤなことがあったり、気分が落ち込んだ際に、よけいに悲観的になり、消極的になるので、いつまでたってもイヤな気分が晴れなかったり、いいことが起こらないということが現実に生じてしまいます。

そのときに、ものの見方を変えてみたり、人に話を聞いてもらったり、いろいろなことを試すことができれば、事態が大きく変わるのは十分ありえることです。たしかに言われてみればそうなのですが、落ち込んでいる際にはそうはいかないのが人間というものです。

だとすると、落ち込んだり、ひどいことが起こる前から、ものの見方を柔軟にするとか、ツラいときに聞いてもらえる人間関係をつくっておいたほうが賢明でしょうし、気分が落ち込んだときに何をすればいいかを前もって決めておいたほうが、落ち込みのデフレスパイラルのようなものにはまり込まないはずです。

本書『すぐに人間関係がラクになる本』は、最悪のように感じることがあっても明日はいいことがあるように思えるための、あるいは、実際にいいことが起こるように何かができるためのテクニックを、長年の精神科医としての経験から書き綴ったものです。

ものの見方を、どう変えればいいのか?
人間関係を上手に築くには、どうしたらいいのか?
自分を動機づけるには、どうしたらいいのか?
落ち込みや怒りの感情に、どう対処したらいいのか?

そういうことをわたしなりに、具体的に説明しようというものです。

「備えあれば憂いなし」といいますが、こころの問題についても同じことです。前もって準備をしておくだけで、イヤなことは続かなくなるのです。そのための一助となれば著者として幸甚この上ありません。

次のページ
「あの人とは合わない」「あの人は嫌い」という人がいるのは当たり前 

著者紹介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、立命館大学生命科学部特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。著書に、『医学部にとにかく受かるための「要領」がわかる本』(PHP研究所)、『老いの品格』『頭がいい人、悪い人の健康法』(以上、PHP新書)、『50歳からの「脳のトリセツ」』(PHPビジネス新書)、『感情的にならない本』『[新版]「がまん」するから老化する』(以上、PHP文庫)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『自分は自分 人は人』(知的生きかた文庫)など多数。

関連記事

×