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生き方

「コミュ力」を上げて人間関係の悩みを解消しよう

和田秀樹(精神科医/国際医療福祉大学大学院教授)

2015年11月13日 公開 2022年09月29日 更新

「あの人とは合わない」「あの人は嫌い」という人がいるのは当たり前 

和田秀樹 

わたしたちはみんな、人間関係で悩んでいます。おそらく人間関係で悩んでいない人は、いないのではないでしょうか。

わたしも人間関係で悩むことは、よくあります。知らない人からネットに悪口を書き込みされただけで落ち込むことなんて、しょっちゅうです。会ったこともない人なのに、なぜか気になって仕方がありません。

出会った人のなかにも相性が合わない人がいて、ずいぶん悩んだこともあります。

あなたにも「あの人とは合わない」「あの人は嫌い」という人が、1人や2人はいるのではないでしょうか。

今は、メールやラインやフェイスブックなどでのつき合いもあるので、昔よりも人間関係は複雑になっています。リアルなつき合いと、ネットのつき合いを、うまく使い分けなければいけないこともあります。

ネット上での関係が増えた分だけ、わたしたちの人間関係の悩みは深まっていると言っていいかもしれません。

ネットでのつき合い方は少し複雑な要素がありますが、人間関係には基本的なノウハウがあります。人間関係で悩んでいるのなら、そういうノウハウを少し取り入れてみるのもいいかもしれません。

すぐにうまくいくわけではありませんが、状況が少し変化すれば、自分の気持ちがラクになるのではないかと思います。

 

人間関係の悩みは、何歳になっても避けて通れません

カウンセリングールームやクリニックに相談に来る人の悩みは、ほとんどが人間関係の悩みです。

若い人は友達との関係に悩んでいます。

「グループに入れてもらえず、仲間外れにされた」「ラインで自分だけ連絡をもらえなかった」という悩みを抱えている人はたくさんいます

。メールやラインに書かれた「たった一言」の意味を考えつづけて悩んでいる人もいます。また、若い人の恋愛関係の悩みでは、異性との距離感で悩んでいる人が少なくありません。

社会に出ると増えるのが、職場の上司についての悩みです。

上司について不満を持っていない人はほとんどいないでしょう。やることなすこと文句を言ってくる上司もいます。上司に対して「いい加減にしてください!」とビシッと言ってやりたくても、そうはいかないのが現実です。

社会人歴が長くなると、今度は後輩や部下など、下の人との関係で悩むようになります。いつの時代も、中間管理職は上司と部下に挟まれてサンドイッチ状態で悩んでいます。

30代くらいになると、結婚していない人は親からのプレッシャーがすごくなり、親子の関係が悪くなる人もいます。親は子どものことを思って言っているのでしょうが、子どもにとっては、それが大きな負担となってしまいます。

家庭を持ったら持ったで、夫や妻のことで悩み、子どものことで悩みます。子どもが欲しくてもできない夫婦の悩みも、深刻です。

子育てが終わって第二の人生になれば、もう悩みはなくなるのかというと、そうではありません。わたしは高齢者医療もやっていますが、嫁との関係で悩んだり、子どもとの関係でイライラしたりしている高齢者の方はたくさんいます。

人間は何歳になっても、人間関係の悩みをずっと持ちつづけます。これは、避けて通れないことです。

けれども、人との「絆」が人生を豊かにしてくれることもあります。苦しいときに人間関係が支えとなって救われたという人はたくさんいます。東日本大震災のような大災害があると、人との「絆」を強く実感するものです。

人間は誰かと関係を持ちながら生きていくしかありません。ですから、人間関係で悩むのは自然なことです。「悩んでもいいんだ」という気持ちでいれば、少しは気がラクになるかもしれません。

 

著者紹介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、立命館大学生命科学部特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。著書に、『医学部にとにかく受かるための「要領」がわかる本』(PHP研究所)、『老いの品格』『頭がいい人、悪い人の健康法』(以上、PHP新書)、『50歳からの「脳のトリセツ」』(PHPビジネス新書)、『感情的にならない本』『[新版]「がまん」するから老化する』(以上、PHP文庫)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『自分は自分 人は人』(知的生きかた文庫)など多数。

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