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なぜか相手を怒らせる!「心の地雷」を踏まないためには?

根本裕幸(カウンセラー)

2016年11月30日 公開 2023年09月12日 更新

「突然の離婚」はなぜ起こるのか?

さらに難解なのは夫婦問題。この世代はすでに1回目の結婚生活を終えた方も少なからずいらっしゃるでしょう。男女ともども40年以上生きてきますと、それなりの「思考」ができあがっていますので、そこで衝突します。しかも、ロマンスがあった結婚初期ならまだしも、子どもがそろそろ受験に忙しくなる頃には、夫婦の間にはすっかり溝ができていることも多いでしょう。

実際、私のカウンセリングは夫婦関係の問題がとても多いのですが、「うまくいっていると思っていた夫が突然妻から離婚を切り出される」というような話もよく耳にしています。まさに寝耳に水、青天の霹靂なのですが、よくよく伺ってみれば数年前からその気配は十分漂っていたようで「実はどこかで気付いていたこと」だったりするのです。

今回はそうした従業員/部下、そして、夫婦間でのコミュニケーションについてもう少し掘り下げてお話させていただければと思います。

 

「上から目線」では確実に地雷を踏む!

経験が豊かで実績もあり、また人生経験も必然と多く重なってくると、ついつい発言が「上から目線」になりやすいものです。かつてのような上下関係が残る時代であれば、年上からの説教も有り難く頂戴していたものの、あまり叱られた経験がなく、自分の世界をきちんと持っている若い世代にとっては、良かれと思った説教もむしろ、疎ましく思われてしまうのです。

しかし、経験や自信からくるプライドもありますから、ついつい自分の考えや意見を押し付けてしまうもの。それで完全に部下からそっぽを向かれた経営者の方からご相談をいただいたこともあります。

上から目線で偉そうに言ったり、「これはこうするもんだろ」「お前はいつもそうだ」などの押し付け・決め付け言葉は確実に相手の心の地雷を踏んでしまいます。昔ならばそれをグッとこらえた部下たちも、今の時代は露骨に嫌な表情をしたり、心のシャッターをスーッとおろしてしまったりということもあるのです。そうすると業務の進捗にも差支えが出たりと、困ったことになってしまいます。

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今の20 ~30 代は「個人」として扱われてきた

著者紹介

根本裕幸(ねもと・ひろゆき)

カウンセラー

1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年、プロカウンセラーとしてカウンセリング業務を開始。以来、延べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に参加。その後、14年間企画・運営に従事し、2003年から年間100本以上の講座やセミナーをこなす。2015年3月退職し、独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動を始める。
著書に『こじれたココロのほぐし方』(リベラル社・星雲社)、共著書に『こころがちょっぴり満ち足りる50のヒント』(すばる舎)、監修に『心理カウンセラーが教える「聞く」技術』(日本文芸社)がある。

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