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リラックスだけじゃない !「心も強くする」入浴法

松村浩道(江の島弁天クリニック院長)

2017年03月12日 公開 2023年09月12日 更新

リラックスだけじゃない !「心も強くする」入浴法

お風呂に入るとリラックスできるというのは、誰しも体感しているところだろう。だが、実はリラックスだけでなく「ストレス耐性を強くする」入浴法もあるのをご存じだろうか。

自分の状況に応じて使い分ける「賢い」入浴方法を、温泉療法を実践している江の島弁天クリニックの松村浩道氏にお聞きした。《取材・構成:林加愛》

※本稿は『THE21』2017年3月号より一部抜粋・編集したものです

 

ゆっくり入ればリラックス効果は絶大に

入浴がメンタルに与える効果は、お湯の温度によって異なります。大まかに言うと、37~40℃のぬるめのお湯ではリラクゼーション効果が、40~42℃の熱めのお湯では抗ストレス作用を高める効果が得られます。

ぬるめのお湯に入るとリラクゼーション効果があるのは、副交感神経が優位になるからです。

人は、緊張状態にあるとき、交感神経が優位になって血管が収縮します。一方、リラックスしているときは副交感神経が優位になり、血管が拡張して末梢にまで血液が行きわたります。つまり、「リラックスすれば身体が温まる」のですが、逆もまた真で、身体を温めることによって、副交感神経を優位にし、リラックスすることができるのです。

しかし、42℃以上の熱めのお湯に入ると、逆に交感神経が優位になってしまいます。ですから、リラクゼーション効果を得るためには、42℃未満、できれば37~40℃のぬるめのお湯に、ゆっくりとつかることが大切です。

入浴に時間をかける大切さを、ビジネスマンは得てして忘れがちです。「明日も早いから」などと、入浴を手早くすます人が多いのは残念なことです。

 

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ストレスに強くなりたいなら「熱めのお湯」で

著者紹介

松村浩道(まつむら・ひろみち)

江の島弁天クリニック院長

1966年生まれ。米国ストレス研究所日本支部代表。日本医科大学卒業。同大学附属病院麻酔科、関東逓信病院(現NTT東日本関東病院)ペインクリニック科などを経て現職。痛みの治療に携わる中で温泉医学や東洋医学、精神医療などの研究を深め、心身相関・脳腸相関を重視した全人的・包括的診療を行なっている。著書に『対人関係のイライラは医学的に9 割解消できる』(マイナビ新書)、『脳腸相関で未病を征す』(七星出版)がある。

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