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生き方

「ムカッとくる怒り」がスーとおさまる方法

植西聰(心理カウンセラー)

2011年12月01日 公開 2022年12月28日 更新

植西聰

ないものより、あるものに目を向ける

◎ねたみは心にマイナスのエネルギーを与える

怒りの感情が湧き上がる原因のひとつに、他人に対するねたみがあります。 ねたみやすい人は、「あの人ばかり上司にかわいがられて、ずるい」 「あの人はお金持ちの家に生まれてうらやましい。それに比べて貧しい家に生まれた私の人生は最悪だ」というように、よく他人と自分を比較して、マイナスの感情を心の中にため込んでいます。

ねたみやすい人たちは、 「あの人はいいなあ」という気持ちの陰に、 「私だってあの人のように幸せになりたい」という願望を持っていることがほとんどです。

しかし、実際にはいくら他人をねたんでも、その人のように幸せになれることはありません。なぜなら、ねたみや、ねたみからくる怒りの気持ちは、心にマイナスのエネルギーを増やして、どんどんその人のツキを落とすからです。

ですから、他人に対してねたみを感じやすいという人は、考え方を変える練習をしてみるといいでしょう。

◎当たり前のことに感謝する

他人をねたみやすい人の特徴に、「今、持っているものの存在に気づかないで、欲しいものばかりに目を向けている」ということがあるようです。

たとえば、生まれつき、頬の端にほんの小さなアザがある女性がいます。
その女性は、アザのことを必要以上に気にしていて、恋愛で失敗するたびに、「私は顔にこんなアザがあるから、誰からも愛されない。こんな顔に生んだ親のせいだ!」と言って怒り出し、

挙句の果てには、元気づけてくれる女友達に向かって、「顔にアザがある人間の気持ちなんてあなたにはわからない!」と八つ当たりまでするといいます。

周りの人は誰も、その女性のアザのことなど気にしていないのにです。それに、その女性は五体満足ですし、きちんとした仕事にもついていますし、顔だってどちらかというと美人なのです。

それなのに、そのことにはまったく感謝せず、小さなアザのことばかり気にしているために、いつも腹を立て、誰かを恨みながら暮らしているのです。

この女性のことを笑うことは、簡単です。しかし、冷静になって自分のことを振り返ってみると、多かれ少なかれ、大半の人が同じことをやっています。

最初にお給料をもらったときは、「ありがたい」と思ったのに、いつの間にか、「給料が少なすぎる」と不満を持ったり、恋人がいてくれるだけで嬉しいと思っていたのに、「もっと私にだけ優しくしてほしい」と思ったりした経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

もし、怒ってしまいそうになったら、今、自分が置かれている状況がいかに恵まれているかをよく考えて、当たり前のことに感謝してみてください。

「今日の朝も、スッキリと目覚めました。健康でいられるのはありがたい」
「目もよく見えるし、耳も聞こえる。話もできるし、歩くこともできる。五体満足で幸せです」

そんなふうに、身の回りを丁寧に観察すれば、必ず感謝の対象は見つかります。ないものより、あるものに目を向けること。そうすることで心のエネルギーをプラスにして、怒りにくい自分になれるのです。

●ポイント 今あるものに感謝するとツキが向いてきます

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怒りは書いて忘れる

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