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心の疲れの回復には「3日間」の休息を

下園壮太(メンタルトレーナー)

2018年02月21日 公開 2023年09月08日 更新

「土日の休み」だけでは足りない理由とは?

 そのうえでお勧めしたいのは、やはり「休息」です。具体的には、「感情を下げる」「触れる」「考える」の三つのプロセスを意識して休息を取るといいでしょう。

 人はただでさえ感情疲労が起きやすい生き物ですが、睡眠不足や、身体が弱ったときは、余計に怒りや不満、不安などの感情を制御できなくなります。本来ならば大したことのない出来事にも、疲れが溜まっていると、通常の二倍は強く反応してしまうのです。

 だからこそまずは「下げる」──感情を暴走させる刺激から離れ、とにかく休んで心のエネルギーを蓄える必要があります。

 とはいえ、土日にしっかり休んでも鬱々とした気分が抜けない、さまざまなことが気になってリラックスできないビジネスマンは多いはず。そんな方は、土日にくっつけて有給休暇を取るなどして、連続で「三日間」休むのがお勧めです。

 二日間だけだと、土曜はリラックスモードに入る準備で終わり、日曜は「明日からまた会社か」と緊張が高まってくるため、心が休まらないのです。これが三日間であれば、少なくとも二日目は心おきなく休むことに集中できます。これは、災害救助の現場などで感情疲労を起こした自衛隊員も取り入れている実践的な方法です。

 ここで大切なのは、基本的に三日間はひたすら寝ること。そして、自分の心をかき乱しそうな要素、たとえば仕事のメールやSNSのチェックは一切行なわないこと。外部の情報を一切遮断しましょう。

 休もうと思っても、なかなか寝つけない人は、病院などで睡眠導入剤を処方してもらってください。お酒に頼るのは、眠りを浅くしますし、依存性も高いのでお勧めできません。

 中には、忙しすぎて三日間も連続で休めない方もいるかもしれません。その場合は、「その週はノー残業週間にする」といった具合に、平日の労働時間をなるべく減らしましょう。

 身体が疲れ切っている状態で働き続けても、判断力は鈍りますし、イライラや不満を他人にぶつけ、周囲の信頼を失いかねません。勇気を持って休むことが、状況を改善します。

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心と身体を緩める「DNA呼吸法」

著者紹介

下園壮太(しもぞの・そうた)

メンタルトレーナー

1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理幹部として多くのカウンセリングを手がける。大事故や自殺問題への支援も経験。2015年定年退官。現在はNPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務める。主な著書に『心の疲れをとる技術』『人間関係の疲れをとる技術』(共に朝日新書)など。

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