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心の疲れの回復には「3日間」の休息を

下園壮太(メンタルトレーナー)

2018年02月21日 公開 2023年09月08日 更新

心と身体を緩める「DNA呼吸法」

 三日間休んで元気を取り戻すと、休む前には怒りや不安を感じていたことが、さほど大きな問題だとは思えなくなっているはずです。もちろん、怒りや不安は完全には消えませんが、かなり余裕を持ってその問題に「触れる」ことができるようになるのです。

 身体や心が疲れ、緊張している状態では、ソリが合わない上司との関係について考えようと思っても、「イヤだな」「怖いな」「会いたくないな」といった感情だけが頭の中をグルグルと巡ります。これでは不安感や警戒心が高まるだけで、問題の解決には結びつきません。

 一方、睡眠を十分に取り、心身ともに元気でリラックスした状態であれば、上司との関係を冷静に振り返ることができます。

 こうしたプロセスを経て、初めて問題を冷静に「考える」ことが可能になります。「あのとき上司があんな発言をしたのは、自分に何を伝えたかったのだろう」「この関係を変えるにはどうすればいいのだろう」というように、相手目線に立って具体的な解決策を模索していくのです。

 とはいえ、イヤな上司との関係について考えるのは、やはり辛いもの。最初はリラックスしていても、考えているうちに再び緊張し、身体や心が徐々に固まっていきます。

 そこで私がセミナー等で取り組んでもらっているのが、「DNA呼吸法」です。簡単に言えば、「心と身体の緊張状態をリセットする」ためのノウハウです。

 ある問題について考えているうちに緊張してきたら、いったん、DNA呼吸法で心と身体を緩めるのです。この呼吸法をマスターすれば、怒りや不満、不安を感じても、新たな気持ちで問題と向き直れます。

 DNA呼吸法は少し複雑なので、何度か練習してみてください。効果は絶大なので、ぜひ身につけてほしいと思います。

 ともあれ、まずは三日間徹底的に休むことから始めてみてください。それだけでもあなたの心の疲れは、ずいぶんと取れるはずです。

 

 

取材構成 長谷川 敦

 

『THE21』2017年12月号より

著者紹介

下園壮太(しもぞの・そうた)

メンタルトレーナー

1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理幹部として多くのカウンセリングを手がける。大事故や自殺問題への支援も経験。2015年定年退官。現在はNPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務める。主な著書に『心の疲れをとる技術』『人間関係の疲れをとる技術』(共に朝日新書)など。

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