「マヌルネコ」表情豊かなモフモフ液体ボディ
2018年05月31日 公開 2024年12月16日 更新
ネコブームの昨今、ペットとしてネコを飼う人が増えている。しかし、可愛いネコはイエネコだけではない!希少種を含む、普通は飼えないネコの仲間もまた魅力的。本連載ではそんな「ネコの仲間」をご紹介しよう。第1回目は「マヌルネコ」だ。
「ネコは液体」を体現する身体
ネコ科の動物の中では最も古い種類で、世界最古のネコと言われるマヌルネコ。チベットやモンゴルなど中央アジアには今も野生のマヌルネコが生息するが、準絶滅危惧種となっている。日本の動物園でも、上野動物園や那須どうぶつ王国など、マヌルネコに会える場所がいくつかある。
身体の特徴は、毛が長く密生しており、足が短めでずんぐりして見える胴体。寒さから身を守るために冬場は特に毛足が長くなり、正面から見ると丸い形に見えるほどだ。面白いのが、寝そべるとぺったりと地面と同化することができる点。よく、ネコの身体の柔らかさを「ネコは液体だ」と喩えたりするが、まさに液体、スライムのようなボディなのだ。
今にもしゃべり出しそうな表情
顔も特徴的で、額が狭く耳が横についている。身を隠す場所が少ない平地でも、低い岩の陰に入ると耳まで隠れられるというわけだ。
もう一つの見どころは豊かで愉快な表情。眠っているときや毛づくろいをするときはイエネコと変わらない愛らしさだが、威嚇するときなどは口を開けて牙を見せたり、目を大きく見開いたりする。それがなんとも言えない独特の表情なのだ。深く物事を考えているような顔をするときもあり、今にも人語を喋りそうに思える(そう思いませんか?)。
人間のような表情に見える理由の一つはマヌルネコの瞳孔にある。ネコの瞳孔の大きさは明るい場所と暗い場所で変わるが、普通のネコの瞳孔は明るい場所で縦長に収縮する。しかし、マヌルネコの瞳孔は丸いままで小さくなるのだ。
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