ハーバード大学で実践されている 「好機を逃さない方法」
2018年06月07日 公開 2023年03月01日 更新
オバマが失い、トランプが心得た好機のタイミング
全員の意見が一致して聴衆が自己満足状態にあり、その意見が納得のいくものである場合、説得の余地はない。だが、どんな意見も永遠に変わらないことはない。状況が変われば、聴衆が抱いている確信にも割れ目が生じる。
物事が不確かなとき、状況が変わるときや変わらざるを得ないとき、あるいは聴衆の気分が変わったときに、説得する余地が生まれる。
バラク・オバマは大統領職にあった2期目の終盤まで、比較的人気が高かった。経済も徐々に上向きはじめ、暴力犯罪の発生率は歴史的に見ても低くなり、銃所持者も銃を手放さずにすんでいた。それでも、政府は機能不全状態で、何も決定をくだせないように見えた。
その結果、有権者の半数以上が投票に行かず、投票にわざわざ足を運んだ人の半数近くが「アメリカを根本からつくり変える」と約束した男に票を投じる結果になったのである。
ドナルド・トランプは聴衆を説得するタイミングをよく心得たうえで、大統領に立候補したのだ。