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定年後の自由時間は8万時間。50歳から探す「会社以外の居場所」

2018年06月28日 公開

楠木新(くすのき・あらた)

50歳から「会社員ではない自分」を探しはじめるべき

それではどうすればよいのか。ここでも個々の社員が主役にならねばならない。定年前後のギャップの解決は、どれだけ個人が主体的な姿勢を持てるかに尽きる。

一つの方向性は、在職中に会社員とは違う「もう一人の自分」を見つけることであろう。それは仕事だけではなくて、趣味やボランティア的なもの、興味ある事柄をもう一度学び直すことでもいい。

「仕事に注力する自分」「仕事以外で関心のあることに取り組む自分」「家族や友人を大切にする自分」など、多様な自分を同時に抱え込み、仕事と生活を区分・分離するのではなく、相互の好循環をどのように生み出すかを常に頭に入れながら働くということになろう。

個人が主体的な立場になるワーク・ライフ・バランスと言ってもいいかもしれない。会社員の中には会社の仕事以外の取り組みをすぐに副業に結びつける人は少なくないが、もっと幅広く考えればいいのである。

50歳くらいから定年後に向けて、会社で働く自分とは違う「もう一人の自分」を探していく。地域の活動やボランティアに関わってみる、趣味などで何かサークルに入ってみる、身の丈にあった小さな起業に向けて準備を始めるという手もある。とにかくやりたいことをやってみる。

人生は一度きりだ。「二度あれば」と願ってもかなわない。会社員時代は会社を通して〝間接的に〟社会とつながっているが、定年後には、「もう一人の自分」を通して〝直接的に〟社会とつながった方が居心地はいい。

私に相談に来る若い人の中には、定年後に向けて20代、30代から準備をした方がいいのではないかと聞いてくる人もいる。しかしそれでは早すぎる。

取材してきた実感から言うと、40代半ば以降に迷い出して、準備は50代で十分だ。

若い時には目の前の仕事に没頭した経験がある人の方が、定年後の選択肢が増えるというのが実感だ。基礎力が養われるからだろう。



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