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「肉ファースト」の食事が メンタルの不調を防ぐ!

溝口 徹(新宿溝口クリニック院長)

2018年08月22日 公開 2023年09月07日 更新

心が元気になるために摂取すべき食材とは?

 では、どの栄養素が不足すると、うつになりやすいのか。

 まずは、「鉄」です。鉄は神経伝達物質が作られる初期段階で必要になることが多い栄養素です。したがって、鉄不足になると必要な精神伝達物質が生成されず、様々な精神症状が現れます。

 鉄不足は、とくに生理による出血の影響を受ける女性に多く見られます。鉄分は、レバーや赤身肉など動物性タンパク質に多く含まれています。ほうれん草やプレーンなど植物性タンパク質にも含まれていますが、吸収効率が優れている点で、動物性のタンパク質を摂取することをお勧めします。

 次に、「亜鉛」です。亜鉛はアルコールを分解する際に必要な栄養素であるため、お酒が好きな男性は亜鉛不足になる傾向があります。亜鉛も、鉄と同じように、レバーなどに多く含まれており、鉄不足の人は亜鉛不足にも注意が必要と言えます。

 そして、あらゆる神経伝達物質の合成に関係しているのが、「ビタミンB群」です。ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。

 とくに、ビタミンB6は、うつとの関連が指摘されるセロトニンや、脳の興奮を抑える役割のGABAを作る過程で作用することから、非常に重要な栄養素として注目されています。

 ビタミンB群は、豚肉、うなぎ、レバーなど動物性タンパク質に多く含まれています。

 最後に、脳の神経伝達物質の主原料である「タンパク質」。タンパク質は、脳にとって不可欠であるだけでなく、皮膚や骨、血管、内臓、筋肉などの構成成分でもあり、生命維持のために欠かせません。肉、魚、卵、豆、乳製品に多く含まれています。

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糖質のとり過ぎでメンタルが悪化!

著者紹介

溝口 徹(みぞぐち・とおる)

新宿溝口クリニック院長

1964年、神奈川県生まれ。福島県立医科大学卒業。横浜市立大学医学部、国立循環器病センターを経て、97年、溝口クリニック(現・辻堂クリニック)を開設。2003年、日本初のオーソモレキュラー栄養療法専門クリニックである新宿溝口クリニックを開設。年間50回を超える患者や医師向けの講演活動を行なっている。『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』(光文社新書)、『まず「白米」をやめなさい!』(あさ出版)など著書多数。

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