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この時代、仕事に全身全霊を捧げて本当にリターンはあるのか?

2018年11月08日 公開

成毛眞(なるけ・まこと)

まずは仕事の延長で遊ぶ

一度、遊ぶ時間をつくってみると、自分があまりに暇なことに驚くはずだ。何もしないでぼーっと過ごすにも限界がある。そのうち必ず、何かをしたくなる。

ただ、だからといって自由に遊びましょうと言われても、何で遊んだらいいのかわからず、戸惑うだろう。

そういう人はまず、仕事に関連する遊びを見つけてみたらいいと思う。

たとえば、パン製造会社勤務なら、本職のパンとは少しずれた、近所のスーパーで売っているすべてのプレーンヨーグルトを食べ比べてみるとか、コンビニのコーヒーを飲み比べてみるとか、そういったじつに手軽なことから始めるのだ。

そんなことは普段からやっているかもしれないが、それを遊びだと意識し、楽しんでやろうと思うと、味わい方が変わってくる。

酸味はどうか、甘みはどうか、香りはどうかといったことを比べ、ランキングしたくなるだけでなく、人に違いを説明するならどうするかということまで考えたくなる。これはもう、立派な遊びである。

私は食品会社に勤めたことは一度もないが、アマゾンで買える十割蕎麦とか、東京駅構内で売っている牛めし弁当とか、その都度、興味を持ったものを徹底的に比較して、自分の中のナンバーワンを見つけることを楽しんでいる。

こうしたものを比べるのが楽しくなると、食品以外のものも比較したくなるだろう。これが遊びへの最初の一歩である。

 

遊びは仕事に役立つかもしれないが、期待をしてはいけない

仕事の延長的な遊びなら、仕事に役立つかもしれない。ただし、過剰な期待はしないほうがいい。楽しむには、遊びは遊びと割りきることが重要だし、そもそも役に立たないことが多いからだ。

たとえば、自動車メーカーに勤めている人の趣味がドライブだった場合を考えてみてほしい。

本人は至極真面目にドライブを楽しんでいるつもりかもしれないが、端から見るとその人は、趣味がドライブなのではなく、妙に仕事熱心な人である。やっぱり、仕事人間なのだ。

そのうえであえて言えば、休日のドライブが、はたして仕事の役に立つだろうか。休日、何キロ走るのかはわからないが、いくらか走ったところで、仕事で真剣に自動車の走行について考えている人にとって、そのドライブは誤差である。そこから新しい何かが生まれる可能性は極めて低い。

自動車メーカーの社員が、趣味のドライブが仕事に生きると本気で思っているなら、それは、普段の仕事を真面目にやっていない証拠だ。

だから、休日のドライブくらいで、仕事に何かしらのプラスが得られると考えるのである。もしも日々の仕事を真剣にやっているなら、たった数時間のドライブが優位な差を生み出すとは思えないはずだ。
その道のプロなら、それくらいのことはわかるだろう。本業は本業の時間に集中して力を発揮する人に、絶対に敵かなわないのである。

仕事に近い遊びが仕事に役立つことがあったとしたら、そのときには、普段の仕事の仕方を疑ってかかるべきだ。

では、仕事から遠く離れた遊びは仕事に役立つのかというと、ごく稀まれに役立つこともある、というのが私の答えだ。ただし前提は、例の『新明解国語辞典』の通り「利益などを考えずに」である。

とはいえ、仕事のために仕事と無関係の遊びを探そうというのも、それはそれで辛い修羅の道である。だから仕事のことはいったん頭から追い出して、ぴんとくるものに触れてみるのが一番だ。すると意外なところで意外な形で仕事の役に立ってしまうことがあるのが不思議なのだが。

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