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アップルがサブスクリプション化を急ぐ理由

2018年12月12日 公開

永井孝尚(マーケティング戦略コンサルタント)

全世界で1億人。アマゾンプライムはなぜ儲かるのか

このように見ていくと、アマゾンの本当の凄さがわかってくる。

アマゾンは、「アマゾンプライム会員」の仕組みに長年投資してきた。年会費3900円(税込)を払ってアマゾンプライム会員になれば、配送料が無料になる。

実は、アマゾンプライム単体ではそれほど儲かっていないという。

しかしアマゾンプライム会員になると、配送料有料の他サイトでは損をするので、ネットで買う際はまずアマゾンをチェックして買うようになる。そしてアマゾンにはたいていの商品が揃っている。こうしてアマゾンプライム会員は、必要な商品を常にアマゾンで買うようになる。アマゾンプライム会員の顧客ロイヤルティは高いので、顧客生涯価値もとても高くなる。

アマゾンプライム会員は、アマゾン全体の売上を大きく拡大する効果があるのだ。

2018年、アマゾンプライム会員は全世界で1億人を超えたという。顧客ロイヤルティが高い1億人の顧客が、日々アマゾンで商品を買っているのだ。

さらにアマゾンは、ビデオ見放題、雑誌や本読み放題、一部商品ディスカウントにより、アマゾンプライム会員が離れないようにしっかりつなぎ止めている。

かくいう私もアマゾンプライム会員として、日々アマゾンで商品を買っている。

さらにここ数年、アマゾンは、電子書籍端末、タブレット、スマートスピーカー、ビデオ配信用端末など、自社開発の家電に力を入れている。いずれも機能の割には激安だ。販売価格は製造原価に近く、ほとんど儲かっていないという。

これらのアマゾン家電は、ネット経由でアマゾンのサービスにつなげて使う。たとえば電子書籍端末には、アマゾンで購入する電子書籍が配信される。スマートスピーカーも、音声でアマゾンに商品を注文できる。さらにこれらの家電機器を動かすソフトウェアの最新版は、アマゾンがネット経由でアマゾン家電に配信している。

アマゾンがアマゾン家電を原価で販売しているのは「売って儲ける」のではなく、「使ってもらって儲ける」ビジネスを目指しているからだ。

アマゾンは、あの手この手でリカーリングモデル化を強力に進めているのである。

アマゾン恐るべし、である。

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