仕事内容をていねいに伝えることで定着率アップ
こうして、やっと採用にまでこぎつけても、「やっぱり思っていたのと違うので辞めます」なんていうことになればすべては水の泡。
アルバイトなど、非正規雇用者の離職率は、入社6カ月以内で55%に上ります。アルバイトの世界では、働きはじめて1カ月以内に2割以上が辞めてしまうのが当たり前なのです。ここからは、採用したあとの“定着率”をアップさせるための施策を考えてみましょう。
せっかく働き始めたのに、すぐ辞めてしまった人が口をそろえていうのが「面接で聞いた話と違います」という言葉です。つまり、面接時にイメージした職場と、入社後のリアルな職場のギャップが大きすぎて、働き続けるのが困難だというのです。
こちらが説明したと思っても、応募者には伝わっていないケースが山ほどあるということを示すデータもあります。「ちゃんと仕事内容を伝えた」という面接官の割合が60%なのに対し、「ちゃんと仕事内容を理解できた」という応募者の割合は35%にとどまるというのです。
こうした事態を防ぐためには、まず時間をかけたていねいな面接が必須となります。15分から30分ほどの短い面接時間では、仕事内容や職場環境についてきちんと説明することが難しいでしょう。忙しいとは思いますが、面接にはなるべく長く時間を取りましょう。
では、面接時に何を伝え、確認しておくべきなのか。
基本的には以下の5つについて確認してください。もちろん募集する際に提示した募集条件がベースとなることが前提です。
①給与:研修期間があるのかないのか? その間の給与はどうなるのか?
②勤務時間:勤務時間のカウントはどこからどこまでか?
③待遇:制服の有無。まかないの有無。それらの費用負担はあるか?
④交通費:一部支給の場合は上限を。駅からのバス代は出るか?
⑤出勤日:いつから勤務できるか?
また、きちんと仕事のキツさを伝えておくことも大切です。
入社を促すために、つい仕事のいい点ばかりを誇張してアピールしがちですが、「土日の昼過ぎはとくに忙しい」「お客様から叱られることもある」など、仕事の厳しい点を伝えておくことが、「聞いていた話と違います」を防ぐためには極めて重要なのです。
「WEB応募者への電話」「ていねいな面接」……忙しい店長からすると「そんな時間とるヒマないよ」と思うかもしれません。ですが、採用しては辞められ、再び採用活動をするというムダな労力を考えれば、これらの時間は捻出できるはずです。
もちろん、これらの“神採用”は、コンビニ業界だけでなくあらゆる職場で応用できます。ぜひ、採用の負のスパイラルを正のスパイラルに変えるため、参考になさってください。