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アジカン後藤「“歌詞が文学的”だと言われて、慌てて本を読み出した(笑)」

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

2019年04月09日 公開 2022年06月15日 更新

 

「歌詞が文学的」だと言われて慌てて読み始めた文学作品

昔は特に本が好きなわけではありませんでした。小学校の小さな図書スペースの本はよく読んでたけど、内容をまったく覚えてない(笑)。『坊っちゃん』も『二十四の瞳』も読んだはずなんだけど。あとは戦争漫画や、家にあった十津川警部のシリーズ。

大学に入ってからは、バイトに行く途中の古本屋で変な本ばっかり買って、暇つぶしに読んでました。人の会話を盗み聞きして書き起こしただけの本とか、実話系のサブカルっぽい本。

そんな感じだったので、文学作品をとりたてて読んだりはしてこなかったんだけど、バンドでデビューしたら「歌詞が文学的だ」と言われはじめて、まずいぞと思って読むようになりました(笑)。

(メンバーの)喜多くんのほうがよっぽど本が好きで、村上春樹を薦められて読んだりして。「螢」という短篇に、なんて悲しい話だろうと感銘を受けて。そのくらいから意識的に読書するようになったし、本が好きになりましたね。

レコーディングをするようになってからは、横浜のランドマークプラザに入っていた有隣堂書店でよく買いました。古川日出男さんの『LOVE』とか。人文書のいい本がいっぱいありました。

 

縦書きが好き

本を読むことが習慣化したら、止まらなくなっちゃって。特に東日本大震災以降は「勉強しなきゃ」って気持ちが強くて、たくさん読むようになりました。

今は壁の一面が本棚で、そこに収まるように整理してます。増えたらチャリティに出します。売るのは忍びないんですけど、誰かが読んでくださって、かつ収益が少しでも人のためになればと。子供の虐待を防ぐための寄付が多いですね。

本棚もう一面くらい増やしたいけど、キリがない。本って、読み返せなくても置いておきたいんですよね。

僕は断然、紙がよくて。どこからでも読めて、途中でやめられる。手で持ってパラパラして、パッと開いたときのこのページ、みたいな。人にあげたり貸したりもできるし。置き忘れた本を誰かが手に取ってみるなんていうのも、ちょっといいですよね。

あと、縦書きが好きです。ボーカルを録音するときも、弾き語り以外は縦書きの歌詞カードを貼って歌います。文章を書くときも縦のほうが圧倒的にやりやすい。縦じゃないとリズム感覚がつかめないんです。

歌詞も曲もエッセイも、何かを書くこと、何かを作るのは楽しいなって思います。ただ、あんまり書く仕事を増やすと今度は読む時間がなくなってくる。忙しすぎる……。

ネットで政治的な発言をしてるから仕事減るのかなと思ってたけど、むしろ増えてますね、おかしいな(笑)。

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