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新米ヘッドハンターの物語『引き抜き屋』がドラマ化~原作者・雫井脩介インタビュー

取材・文=大矢博子

2019年09月02日 公開 2019年09月02日 更新

今の自分にしか書けないテーマを求めて

──雫井さんご自身もサスペンスから恋愛ものまで幅広く手がけてらっしゃいますが、それもまたチャレンジなのでは?

雫井 それはむしろ、自分の幅を狭めたくないというか、限界を区切りたくないという気持ちかな。それに、ひとつの作品を書き終わると、そこで書き尽くしちゃう感があって、同じジャンルのものって書きたくなくなるんですよ。他の毛色のやつを書きたくなる。

──お話に出てきたプロ経営者と同じじゃないですか!

雫井 というより、擦り切れたところにこだわるんじゃなくて、みずみずしいところを出していきたいという感じに近いかも。『クローズド・ノート』や『つばさものがたり』って、あの時じゃないと書けなかったと思うんです。ちょっと置いておいて五年後に書こうとしても、モチベーションや感性の問題で、それはできない気がするんですね。自分も変わっていくし、書きたいと思ったときに書かないと。無理に書いてもいい作品になりませんから。

──ひとつだけ気に入っている作品を挙げるとしたら?

雫井 「引き抜き屋の苦心」(『引き抜き屋 2鹿子小穂の帰還』所収)かな。鞄屋さんの。

──(編集部、インタビュアーとも声を揃えて)あれ、すっごく好きです! 泣けるんですよね〜。

雫井 あれを書いてる時は、おっ、ちょっといい感じのが書けたかな、と思いましたね(笑)。ただどれも、人生の岐路に立たされている人間が出てくる話なので、その心情的なものを自分と重ねて見てくれるといいな、と思っています。
 

連続ドラマW
引き抜き屋~ヘッドハンターの流儀

雫井脩介、渾身の新境地がWOWWOWでドラマ化。
知られざる業界を描いた<ビジネスエンターテインメント>が11月放送決定。

監督:西浦正記
脚本:渡辺千穂
音楽:木村秀彬
出演:松下奈緒 内田有紀 小手伸也 / 渡部篤郎
 

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