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悩めるお寺を救った「片づけ」 古刹・播州清水寺に“起こったこと”

2019年10月23日 公開

杉田明子

 

拝観者数1.5倍増を記録!

こうして始まった職場環境デザイン。お寺が終わる17時から23時までという時間帯に、副住職、奥様、職員さん、総出で物の整理からスタートしました。外陣から内陣裏、そして最後は、大講堂下の物置きまで。およそ7日間かけて終了させました。

後に起こった変化は、乱雑な状態からきれいになったということだけでなく、付随して様々な報告がありました。

・御朱印をもらうための並ぶスペースができ、混乱がなくなった
・以前は参拝して、御朱印をもらってそのまま帰る人が多かったのに、今では大講堂内をゆっくり見る人が増え、参拝者の滞在時間が長くなった
・内陣と外陣を仕切る格子の周りをスッキリさせたことで、内陣を覗いて見る方が増えた
・お土産売り場を気持ちよく見られるようになり、これまで全く売れなかった物品が売れだした
・職員が働きやすくなった

実施の翌月には前年比1.5倍の拝観者数を記録。単にきれいになったから拝観者数が突然増えたという因果関係はないでしょう。しかし、これだけ人数が増えても混乱することなく対応可能となった環境づくりと、多くの拝観者の方に清浄感ある空間を体験いただけたことは、お寺の挑戦がもたらした成果です。

 

お寺にも経営が必要

今回ご相談いただいたのは40代の副住職ですが、スタートする前にお聞きした言葉が心に残りました。

「遠くから来られる西国の巡礼さんもいますし、来てくださった方に気持ちよく過ごしてもらいたい。けれど、今はごちゃごちゃとしていて、もう手の打ちようがなくなってしまった。

僕が預かるのは長い歴史のなかの30年ほどだけど、この30年はお寺が変わらなくてはいけないときだとも思っています。環境を整えるのは、その変わらなくてはいけないことのひとつです」

世紀を超えて継承されてきた目に見えない大切なものを守る責任と、新しい挑戦がなければお寺の経営が成り立たないという、現実問題に対する責任を負っていらっしゃるのを切に感じます。

葬儀や法事、観光寺としての収益が、お寺の存続や僧侶、職員の生活を支えています。一方で、後継がいない、檀家数が少ないなどの理由により急激な勢いでお寺が潰れていっている現代。

お寺といえども、時とともに生じてくる問題に応じて変化していかなければ経営が成り立たなくなるのは一般企業となにひとつ変わりません。

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