Kが語った「泣ける歌」を作る絶対法則とは?~最も泣ける映画主題歌『光るソラ蒼く』
2019年12月04日 公開 2024年12月16日 更新
「最も泣ける映画主題歌」はこうして作られた!
寺井 エンドロールでKさんの歌が流れた時に自然と涙が溢れてきて、席から立ちあがれないほど泣いてしまいました。Kさんは私の中で「感涙ドラマのエンドロール職人」というイメージがあります。今回どのようにして歌を作られたのですか。
K 台本を読んで、撮影現場を何度も見学させてもらって、時間をかけて少しずつイメージを膨らませていきました。人は必ず自分じゃない誰かの支えがあって生きてるって事を強く信じてほしいという思いで作りました。だから、なるべくシンプルで素直に歌うことに気をつけました。
寺井 ベテラン女優の木野花さんの劇中の歌唱シーンもグッときました。歌っている人の置かれている状況や立場によっても泣けるかどうか変わりますよね。泣ける歌はテクニックだけではないんだなと思いました。
今回の映画の原作は「むせび泣いた」と話題になった作品ですが、その映画主題歌を担当するとなった時に、やっぱり泣かさなきゃいけないみたいなプレッシャーはありましたか?
K 「泣かせなきゃ」みたいな意識は無かったですね。逆に台本見させてもらった時に、すごく明るい曲を作ろうっていうのはありました。映画を観終わった人がすっと立ち上がって軽い気持ちになって映画館から帰れるような曲を作りたいっていうのは 、原作を読み終わって一番最初に思ったことだったんで。その点は最初から最後までブレがなかったです。監督と話した時も、監督もそういうイメージだったので、そこはすごくリンクしてたような気がします。
「泣ける歌」に必要な生き方やビジュアルは?
寺井 歌で人を泣かせる上で、歌い手の人柄、生き方、ビジュアルも大切ですよね。
先日、フジテレビ『MATSUぼっち』というEXILEのMATSUさんの番組企画で、全米感涙協会vs番組で一度も泣いてないMATSUさんという企画をやったんですよ。私の書いた泣き歌を声優さんに歌ってもらったり、私が作った泣けるMVを上映したり、あの手この手でMATSUさんに泣けるコンテンツを浴びせに掛かったのですが、MATSUさんから「寺井さんの顔が浮かんだら泣けない」と言われました(泣)。
あと例えば、凄くいい歌を歌っているのにそのアーティストが不倫してると知ったら急にその歌が泣けなくなったり。歌に罪はないのですが、自然とそうなってしまうことはありますよね。
Kさんは、生き方やビジュアルの面などで何か気を付けたり意識されたりしていますか。
K 悪いことしちゃいけないっていう意識よりは、いい作品を作りたいって意識はあります。ただ、人様の前で芸をする人間はみんな同じだと思いますが、生きることすべてが芸になるので。生き方も人生の間違いもすべて自分の芸に関わってくるっていうことは思いますね。
僕らはアウトプットしていくことが仕事なので、生き方もそうですし、感じたことも自然と自分の作品に出ていくので。それがまたリアリティでもありますしね。そういう意味での意識はしてるかもしれないです。