映画『電止め!』はパクリスペクト精神だ!~中田敦彦 × 寺井広樹、おおいに語る
2019年07月01日 公開 2024年12月16日 更新
笑って泣ける超C級(銚子)ホラー映画
「日本一のエンタメ鉄道」として話題を呼んでいる、千葉県銚子市のローカル鉄道・銚子電気鉄道(銚子電鉄)。沿線の過疎化などから鉄道事業が落ち込んでいる一方で、車両内や駅舎をお化け屋敷としたイベントや、ぬれ煎餅、スナック菓子「まずい棒」を製造販売するなど、副業にも力を入れることで経営改善にチャレンジしている。
そんなユニークなビジネスを仕掛け続ける銚子電鉄(竹本勝紀社長)が、なんと自虐ネタ満載の超C(銚子)級ホラー映画『電車を止めるな!』(2019年8月3日先行公開、9月以降全国公開予定)の製作に乗り出した。
その原作本の著者である寺井広樹さんと、映画に友情出演しているオリエンタルラジオの中田敦彦さんに、銚子電鉄の魅力と映画の見どころについて語ってもらった。
躊躇して止めるより、攻めたほうが面白い
中田 銚子電鉄がぬれ煎餅の販売収益で営業を続けているのは知っていましたが、今度は廃線寸前という状況を逆手に取って自らエンタテインメントのホラー映画を作ると聞いて、その発想がいかにも銚子電鉄さんらしくて面白いと思っていました。
ぼくは、映画の原作である寺井さんの『電車を止めるな!』(PHP文芸文庫)を推薦しました。ちょうどぼくも『労働2.0』(PHP研究所)という本を出したところだったので、ぼくはぼくで自分の本をPRしたいと思い、銚子電鉄は電車を止めたくないと思っている。気づいたら同じ電車に乗り合わせた運命共同体のような状態で(笑い)、この先どこへ向かうのかわかりませんが、とにかく、応援していきたいなと思っています。
映画『電車を止めるな!』への出演オファーをためらうことなくOKしたのも、このプロジェクトの応援になると思ったからです。
寺井 私は今回の映画の原作と脚本の執筆にも携わらせてもらっていますが、当初から銚子電鉄さんらしく、パロディー感あふれる作品に仕上げようという狙いがありました。
作品には「謎の霊媒師 広瀬じゅず」というキャラクターが登場するんですが、年齢は62歳。言うまでもなく人気女優の広瀬すずさんの名前をパクっているのですが、脚本を書いている時、ご本人やファンの人たちから「ふざけすぎ!」と叱られるのではないかと心配していました。
でも、中田さんが『労働2.0』で「やりたいという気持ちを大事にする」と書いているのを読んで、この本は私のために書かれたのではないかと、背中を押されたような気持になりました。
中田 脚本を読ませてもらいましたが、あまり気にすることはないんじゃないかな。ビジネスでも作品でも躊躇して止めるより、攻めていったほうが結果的に面白いものができあがると思いますよ。
寺井 中田さんにそう言っていただけると心強い(笑い)。じつは『電車を止めるな!』というタイトルにしたのも、『カメラを止めるな!』のパクリで、その続編かと勘違いして観に来てくれるお客さんが一人か二人いるんじゃないかと……。そういう下心がありました。
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映画にも銚子電鉄のお家芸パロディーとホンモノ感重視を