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社会

子の就職活動に「親がサポートが必要」な差し迫った“現代の事情”

竹内健登(就活コンサルタント)

2019年12月13日 公開 2024年12月16日 更新

 

「親がアドバイスした途端に内定が増えた」の声

「企業の求める人物像」も知らず、十分な対策も準備もしないまま選考に突入し、企業からの「お祈りメール(不採用通知。「ご縁がなかった」などの表現ののち、「○○様の今後ますますのご活躍を"お祈り"申し上げます」などと締めくくられることから、このように呼ばれることとなった)」を受け取ることになります。

理由もわからず、ただ拒絶されれば、どんな学生も傷つきます。「自分みたいな人間は、どの企業にも入れない」と思い詰めてしまう学生も少なくありません。

私はこれまで長年にわたり、自分自身が学生と接しながら就活指導を行なってきましたが、

「親御さんの的確なアドバイスを得たとたんに、お子さんの就活がうまく回り始め、驚くほど多くの内定を獲得できた!」

というケースは数えきれません。就活生のお子さん、あるいはこれから就活に挑もうとするお子さんを持つ方は、なるべく早く、就活を理解してください。

そこから正しいサポートや指導をすることで、あなたのお子さんは余計な苦労を強いられることなく、そして後悔なく一流ホワイト企業に内定できるでしょう。

 

子どもの就職は「親と家庭の問題」と考えるべき

私も弟も東京大学を卒業していますが、実は2人とも、就活に「失敗」し、希望とは異なる社会人生活をスタートしなければなりませんでした。

私たち兄弟の事例は決して珍しいものではありません。今の時代は、東大生すら就活に苦労しているのです。

就活に苦戦しているわが子を見て、「おかしいなあ」と思っている方もいるでしょう。選考にバンバン落とされて落ち込んでいる様子に、心を痛めている方もいるでしょう。

そんな方々に、私が身をもってお伝えしたいことは、

「お子さんだけでなく、親御さんも頑張り時は"今"だ!」

ということです。現代の就活は、本当にものすごく大変です。何十社も説明会を回って気の遠くなるような分量のエントリーシートを書き、筆記試験を受けて、一次・二次・三次の面接。時には圧迫面接(面接官が学生に対して意地悪な質問をしたり、わざと否定的な態度をとったりしてくる面接)を受けなければいけないこともあるでしょう。

体力的にも精神的にも、就活はかなりつらいものです。事実、NPO法人POSSE(ポッセ)が学生約600人を対象に調べたところによると、

「学生の7人に1人は、就活でうつ(就活うつ)になる」

という結果も出ています。これほど就活はストレスフルなのです。

さらに、その荒波を乗り越えて内定がもらえたとしても、その内定先に納得できないなどの理由で、入社後1年も経たずに会社を辞めてしまう若者もいます。

こうしてキャリアに傷をつけてしまえば、その後、望む仕事に就くのはより困難です。転職活動をしても社会の風当たりは厳しく、そのまま引きこもってニートとなってしまったりすることさえあるでしょう。

そうなってから、

「就活をもっと頑張っていれば……」

と思っても、取り戻すことはできません。「子どもの就活」といえど、お子さんの人生だけでなく、家庭そのものにもヒビが入ってしまうこともあり得るのです。

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