一説には「7人に1人が就活うつになる」とまで言われているという、昨今の就職活動事情。学生の多くは誰もが知る「ホワイト企業」を目指してしまうため、特定の企業に人気が集中してしまうことが、就職活動を難しくしている。
就活コンサルタントの竹内健登氏は、こんな時代だからこそ、親のサポートが重要であると主張し、自らも就活指導のスクールを運営しているが、多くの学生と接するなかで親の過保護・過干渉が逆効果となってしまうケースも目にするという。
ここでは、就職活動に臨むわが子を具体的にどうサポートすべきかを示した竹内氏の著書『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』より、「親が絶対に手を出してはいけない領域」を語った一節を紹介する。
※本稿は竹内健登著『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)より一部抜粋・編集したものです
子どもを古い知識や常識で縛らず、暖かくサポートしてあげる
親御さんの学生の頃とお子さんとでは、時代背景も就活の状況も違います。しかしそれを踏まえたうえでも、私は、お子さんの就活のサポートは、親御さんがするのが一番だと考えています。
それは、親御さんこそがお子さんを一番よく理解しているから。そして就活こそがお子さんの独り立ち──子育ての〆(しめ)であるからです。
多くの親御さんはきっと多くの愛情と時間、そしてお金をお子さんにかけてこられたことでしょう。これまでに、学費も相当かかっているはずです。
そこまで手をかけてきたお子さんだからこそ、いい企業にいって、いい社会人人生を歩んでほしいというのが親心ではないでしょうか。
キャリアの最初をどこで過ごすか──就活の結果次第で、生涯賃金は最大で3億円ほど変わってくるともいわれています。年収も学歴や企業のランクと同じで、高ければすなわち幸せというものではありませんが、評価されないよりはされたほうがいい、と思うのは当然です。
就活という段階にまで成長されたお子さんは、すでに自分の力で自分の道を切り開いていく力を持っています。親御さんにできることは、徐々に減っていっているかもしれません。
しかし、お子さんが就活をやりやすく感じるか、やりづらく感じるかと、親御さんのサポートを切り離して考えることはできません。
お子さんは、
「親は就活のことを全然わかってくれない」
「親の考えは古くて参考にならない」
などと言うかもしれません。
しかしそれでも、お子さんはいつまでも親御さんの行動や発言や価値観に影響を受けているはずです。
どうぞ、お子さんの未来を一緒に見て、悩んでいるときには手を差し伸べる、そんなサポートをしてください。少なくとも、古い知識や常識でお子さんを縛ったり、変なプレッシャーをかけたりしないであげてください。
親子で乗り越えた就活の先には、お子さんの最高のファーストキャリアと、「いつまでも子どもだ」と思っていたお子さんのりりしい横顔にはっと驚く瞬間が待っていることでしょう。