「働き方改革」の推進が叫ばれる昨今、少しでも「ブラック企業」だとされる事件や情報は瞬く間に拡散され、多くの人の知られるところになる。そんな情報に敏感なのが就職を控えた学生たちである。
学生の立場からすれば、ブラック企業で苦しめられたくないと思う一心で「ホワイト企業」へ就職したいと必死になる。結果、人気は特定の企業に集中し、人手不足の時代でも狭き門になってしまっている。思い通りの就職ができない、就職活動がうまくいかなことで、一説には「7人に1人が就活うつになる」とまで言われているという。
就活コンサルタントの竹内健登氏は、こんな時代だからこそ親が助けてあげるべきだと語る。本稿では、竹内氏の自著『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』より、学生を取り巻く厳しい環境について触れた一説を紹介する。
※本稿は竹内健登著『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)より一部抜粋・編集したものです
学生は「ホワイト企業」にしか入社したくない
昨今、就活市場は「売り手市場」といわれています。実際、ここ数年の就職率は95%を超えるなど、その状況が反映された統計データを目にしたことのある方も多いでしょう。
しかし、いざ学生たちに目を向けると、見える風景はガラリと変わります。非常に多くの学生たちが、内定を思うように得られず、人生に迷い、挫折を経験している──それが、学生から見た就活なのです。
この学生たちの苦悩と社会とのギャップは、ここ数年、ますます深刻になってきているように感じます。
実際、学生は就活を始めるや否や、厳しい現実に直面することになります。
まず、多くの学生は、「一流ホワイト企業」への内定を目指します。ということは、裏を返せば、一部の人気企業に応募が殺到しているということです。
これらの企業を目指すならば、学歴や留学経験、あるいは人柄や性格のよさだけでは太刀打ちできません。
さらに、多くの学生は「手探り状態」で就活をしています。