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痛恨!「高値づかみ」の企業買収…プロはいかにして短期間で価値を取り戻すか?

小早川鳳明(企業再建プロフェッショナル)

2020年02月07日 公開

 

経営再建のプロが使っている工程管理ツール「ブループリント」

「①管理基盤を整える」、「②事業の改善」の2つのテーマの下にあげられた、PMIの施策(取り組むべき事項)は、ブループリント(将来達成事項シート)と呼ばれる一つの台紙に纏められます。

新しい親会社の担当者と、買収された会社の各部門長が着手プロセスや実行タイミングを合意します。プループリントには「各業務分野や部署において、1カ月後、3カ月後、6カ月後、1年後、2年後に、何をどこまで達成している状態にあるか」が一覧化されて記載されています。

ブループリントとは「将来、何を達成してどのような状態を実現できているのかを、期間を区切り段階を踏んで見通し、関与者全員で目線を合わせる」ための道具なのです。

ここでのポイントは、「やること」を記載するのではなく「達成すること」を記載することです。

これにより、現場のチームメンバーが、各自で最適なやり方を用いて、経営者やPMI専門家が必要と考えた成果をあげてくれるのです。例えば、わかりやすい例をあげると、「100人の新規顧客開拓」でははく、「新規顧客との契約を2件獲得する」と記載するのです。

経営再建の専門家、特にM&A直後の再建の専門家であるPMIの専門家はこのような考え方やツールを用いることで、大企業全体を短期間で動かし、改革の成功につなげているのです。

プループリントの例

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