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インドで真面目に考えた、「人前でパンツを脱ぐこと」の価値

2020年03月05日 公開

さくら剛

インドが教えてくれたこと(さくら剛)

インドを旅していると、自然と様々なことを考えてしまう。デリー、ジャイプル、バラナシ、ブッダガヤ、カルカッタ……。インド各地を旅する中で、気付き得たものがあった。

インドを愛し、知り尽くした旅人・さくら剛氏が著書『インドなんてもう絶対に行くか!!なますてっ!』(PHP研究所)より、実際にインドで体験した電車移動での一幕を紹介する。

※本稿はさくら剛著『インドなんてもう絶対に行くか!!なますてっ!』(PHP研究所)より一部抜粋・編集したものです。

 

ひとりを救えない者に、世界は救えない

さくら剛(一人旅マスター)

カルカッタの駅構内へ入ると、実写版「火垂るの墓」の撮影中かと勘違いしてしまうような、ボロ切れに包まれたスモール女の子姉妹がチケット売場の床にゴロゴローンと真っ黒く転がっていた。

多分姉の方だと思われる幼き少女が、

「私たちは、もし今日ご飯を食べられなければ明日には死ぬでしょう。その時きっとあなたが楽しげに旅している新しい土地とは遠く離れた、ここカルカッタで。あなたが喉を鳴らしてコーラを貪り飲んでいるその最中に」

と力のない眼で訴えながら、オレに向かって手を伸ばしてくる。

「マネー……、プリーズ……ギブミーマネー……。なんでホタルすぐ死んでしまうん……?」

国境に向かう電車のチケット売場で物乞いをするとはなかなか鋭い作戦だねキミっっ!! 確かにオレはもうインドルピーはいらん…

きっと物乞いに何も与えないポリシーの人たちは、「貧しい姉妹をたった1日分救ったところで何も変わらない」と言うかもしれないが、

オレは少なくとも1食分誰かに与え、そのことによって1日分「オレ、今日はいいことをしたなあ」と自己満足することに払った金額以上の価値はあると考えている。

どうせ要らない小銭を処分するためにも、オレは火垂るの節子もどきの幼子にジャラジャラとルピーを押しつけた。

実際旅人同士で物乞いの話になると「1人救っても何も変わらない」「あげ出したらキリが無い」「もっと根本的に解決しないとしょうがない」と言う人、そう書いてあるガイドブックまであるのだが、なんか冷た過ぎる。

自分の家族やペットが飯を食えずに困っていても、同じことを言えるのだろうか。

物乞いについて「たった1人救っても何も変わらないし。もっと根本的なところから解決しないとダメなんじゃね」と言って与えるのを拒んでいる旅行者で、

本当に根本的な解決のために何か行動している人をオレは見たことが無いので、せいぜい目の前の1人に与えるくらいは、その国を旅させてもらっている旅人として行うべきじゃないかな。ふふふ……。

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