松下幸之助が創刊した雑誌が、いま、職場で読まれている理由

『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
2020年02月06日 公開
著者のバックパッカーデビューとなるアメリカ1ヶ月の旅、その旅の最終訪問地ラスベガスで緊急手術を受けることに。海外で病気になったらどうなるのか。その際の心境や状況を詳細に綴った。
作家であり、ポッドキャスト番組「さくら通信」も好評を博す⼀⼈旅マスターのさくら剛氏が、著書『海外旅行なんて二度と行くかボケ!』(産業編集センター)より、実際に体験した悶絶エピソードから旅人を待ち受ける試練を紹介し、トラブル対処法を学ぶ。
※本稿はさくら剛著『海外旅行なんて二度と行くかボケ!』(産業編集センター)より一部抜粋・編集したものです。
病院に着いてから10時間が過ぎた。特に検査結果も告げられないまま、また夜になってしまった。
なんだか病院側は患者がいっぱいで立て込んでいるご様子。しばらくして、ドクターが来た。
アメリカというより南米、ラテンの血を感じさせる顔つきのドクターが、なにやら検査結果の書類のようなものを持ってやって来た。
ロドリゲスドクター(印象で私が勝手に命名)は書類をめくりながら、丁寧に説明をしてくれる。
納得顔で説明を聞いていたのは通訳のゆきこさんだ。頼もしいゆきこさんはすぐに日本語へ変換して伝えてくれる。
「盲腸かなにかだろうって。ハッキリはわからないけど、腸の辺りになにかが見えるそうなの。このまま日本に帰ってもいいんだけど、どうせ放っておいて治るものじゃないし、これから手術をしたらどうかって」
手術……ああ、手術……。しかし、たしかにロドリゲスドクターの仰る通り。
帰るっていったって、このエンドレスペインに耐えながらさらに何日か待ってそれから飛行機に10時間以上乗って日本に戻りそれから病院に行って検査からもう一度やり直すのなんて、絶対無理だ。
「盲腸かなにか、だそうよ。ちゃんとしたことは開けてみなきゃわからないって」
ともあれ手術を承諾すると、すぐに担当が決まったらしく先生方が順番に挨拶に来てくれた。最後に看護師さんが数枚の契約書のような紙を持って来て、ゆきこさん経由で私に渡して去って行った。
「1枚は手術だけど、他のは臓器提供の同意書よ。万が一のことがあった時に、臓器の提供を申し出るかどうかっていう書類ね」
……………。
「臓器の種類ごとに提供の可否を意思表示しないといけないの。まず角膜……、眼だけど、これはどうする?」
ううっ。はい。じゃあ、提供します……
「次は小腸と肝臓。これは?」
ううっ。提供します……
「じゃあ次は、心臓。心臓はどうする?いい?やめとく?」
ああ、心臓はどうしても、大事な物ですから、心臓だけはっ……!
「それじゃここは不可にしとくわね。眼と肝臓と小腸、脾臓がOKってことで」
はい。そのラインナップでお願いします…
一度手術が決まればそこからは早く、すぐにストレッチャーに乗せられ私は手術室へと運ばれた。口を覆う呼吸マスクと、腕の針から麻酔が投入される。
ああ、生まれて初めての手術……生まれて初めてのひとり旅で……なぜ……(涙)。
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