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感染症ショックで加速!? 「史上最悪の大量閉店」に追い込まれたアメリカ小売店

2020年03月23日 公開

石塚しのぶ(Dyna-Search, Inc.代表)

石塚しのぶ

新型コロナウイルスの影響により、アメリカの小売店舗に人々が大挙し日用品や食料が買い占められる状況が報じられ、その混乱ぶりが伝わってくる。

そもそもアメリカでは、小売店舗の大量閉店に歯止めがかからない状況にあった。2017年には米国史上最悪の数字ともいわれる8600店舗もの小売店舗が閉店。

その後も小売店舗の大量閉店は続き、つい先日も老舗高級百貨店バーニーズ・ニューヨークが、2020年2月22日で米国内最後の一店舗だったニューヨークマンハッタンの旗艦店を閉店。

約100年の歴史に幕を閉じた。アメリカの小売店舗を次々と閉店に追い込んでいるのが、Eコマースビジネスだ。

これまで、Eコマースビジネスは、消費者にとって便利な存在である一方で、企業や働く人たちとっては、小売店舗を閉店に追い込み、働き手から仕事を奪う存在のように語られてきた。

しかし、米国に拠点を持ち、長年米国の先進企業のケーススタディを収集・研究してきた経営コンサルタントの石塚しのぶ氏によると、テクノロジーの進歩は必ずしもそうしたネガティブな面だけではないという。

人間性を奪うのではなく、むしろ取り戻すものだと説明する石塚氏が、独自の視点でアマゾン、ウーバー、フェイスブック、エアビーアンドビー4社の知られざる実態を紹介。

さらには、産業構造が激変する中、10年後にも会社を存続させるのに必要な組織の在り方について解説する。

※本稿は石塚しのぶ著『コア・バリュー・リーダーシップ 組織を変えるリーダーは自己変革から始める』(PHPエディターズ・グループ)より一部抜粋・編集したものです

 

老舗店舗も続々閉店。ネットショップに淘汰される米国小売の悲惨な現状

アメリカの小売の世界でクリスマス商戦のスタートといわれる、「ブラックフライデー(11月の第四金曜日。感謝祭の翌日にあたる)」。

2018年にはアマゾンが売上史上最高記録を更新し、景気好調の証として株式市場が湧き立った。

その一方、その年にアメリカでは史上最悪の小売店舗大量閉店が起きていた。

8600店もの小売店が閉店に追い込まれた背景には、Eコマースの発展に伴い、消費者が店舗でモノを買わなくなっているという現実がある。

つい先日も、100年近く続いた老舗高級百貨店で日本にもファンが多いバーニーズ・ニューヨークが、米国内の最後の1店を閉店させたほか、大手百貨店メイシーズも、店舗数を激減させ、大量リストラを断行。

今後もこの傾向は続くことが予測されている。創業125年の歴史を持つ小売業のシアーズもついに会社更生法による保護を申請。

アメリカにおける「カタログ通販」のパイオニアであった同社の事実上の倒産は、大きく報じられた。

しかも全米で6万8000人超を雇用する大型チェーンの全店舗閉店は、6万8000人とその家族が路頭に迷うことを意味する。

その他にも、アパレル、家電量販店、アウトドア用品、寝具、書店等々、あらゆる業界の小売店舗が、次々と姿を消す時代となった。

Eコマースの台頭によって、老舗や誰もがその名を知るような有名大型チェーン店さえも倒産に追い込まれる――それが今のアメリカの小売業界の悲惨な現状といっていいだろう。

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