女性“だけ”が定額で参加し放題…「婚活パーティー」サービスのカラクリ
2019年07月30日 公開 2019年07月30日 更新
サブスクリプション、略して「サブスク」。商品の単品販売ではなく、定額でサービスの提供を通して顧客との関係を深めていくモデルである。デジタル化がサブスクの広がりを大きく後押しした。
動画配信サービスのNETFLIX(ネットフリックス)やDAZN(ダゾーン)をはじめ、食品や衣料、果ては婚活パーティーにまでサブスクは浸透し、消費者の価値観は「所有」から「利用」へと急激に変化している。
本稿ではこの急速に進展するサブスク・モデルにおける多くの事例を解説した雨宮寛二氏の著書『サブスクリプション』より、サブスクモデルの現状を伝える一節を紹介する。
※本稿は雨宮寛二著『サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルヘ』(角川新書)より一部抜粋・編集したものです。
「卵かけご飯が食べ放題」のサブスクサービス
最近、テレビや新聞、雑誌などのメディアで「サブスクリプション」という言葉を耳にすることが多くなりました。日本では、単なる定額制サービスとして語られることが多くなっていますが、実際には異なります。
テクノロジーを活用することで、顧客のニーズに応じた商品やサービスを提供し、継続的に課金するビジネスモデルが最新の潮流になっています。課金方法は、定額制、従量制を問わず、時に料金が変動するモデルであるとも言えます。
サブスクはさまざまな分野に派生しています。ストリーミングでは、オンライン大学受験講座配信、また、娯楽分野では、音楽ライブ行き放題といったサービスもあります。
変わり種としては、卵かけご飯やベビーカー、婚活パーティーなどがあります。卵かけご飯は月額540円で食べ放題、ベビーカーは月額3000円で使い放題、婚活パーティーは女性のみ月額980円で参加し放題です。
いずれも定額で利用し放題というのが特徴になっています。つまり、利用者は事前にネットなどで情報を調べることなく、サービスを受けられるというわけです。サブスクは、まさに、私たちが沢山の情報を調べて選択する行為から解放してくれるありがたいサービスなのです。
次のページ
女性を「低価格、定額」で優遇すればビジネスはうまくいく?