組織を滅ぼす「有給休暇の理由を聞く上司」
2020年05月12日 公開
「有給申請には理由が必要」は今すぐ改めないと若手は離れていく
あなたの会社は有休(有給休暇)を消化しやすい会社ですか。それとも有給の話を部下が切り出しにくいような会社ですか。
後者であるとしたら、これからの時代生き残るのは難しいでしょう。なぜなら、今までブラックボックスと化していた会社文化はほぼ100%企業口コミとして外に広がります。
「あそこは有給なんてほとんど取れないらしいよ」と広まった瞬間、応募者はリストから削除するからです。ルールを守らないレッテルを張られると、採用面で苦戦するのは目に見えています。
本来、有給を取る際に「理由」は必要ありません。あなたは部下が有給を取得する際に理由を聞いたことはありませんか? あるのだとしたらそれはNGです。
しかし私の知る限り、有給が取りづらい会社は少なくないと思います。
理解のあるマネジャーであれば有給を取りたい部下がいればすぐに受け入れて自由に消化させようと努めます。
しかし、自身が有給をまともにとってこなかったマネジャーからしてみたら「何を言ってるんだ?」となりがちです。また、会社全体に有給休暇制度が浸透していない会社も多く、過去に聞いたなかでは、「結婚式・葬式しか認めない。それ以外は減給対象とする」という無茶苦茶な企業もあるくらいです。
あなたは、部下が有給を取りたいと言ったら取得するために最善を尽くすマネジャーなのか、それとも本来は理由を聞いてはいけないのにもかかわらず「えっ、なんで? そんなに重要なの? 休みの時じゃダメなの?」と上から目線で聞くマネジャーなのか、どちらでしょうか。後者だとしたら確実に組織が滅びていくことでしょう。
私は先日Twitterで、「有給休暇を申請するときに『なんで、理由は?』って不機嫌に聞いてくるマネジャーなんやねん! 有給休暇は本人が休みを取りたい日に取るためのもの。結婚式とか葬式以外は認めないってそんなのある? 何? シフトが回らない? 従業員を優先しないから人手不足になるんだよ!」と投稿したところ、2000件以上の「いいね」がつきました。
このリプ欄でもわかったのですが、上司が最低限の労働基準法を理解しているかいないかがそもそも企業内で取得のしやすさが大きく影響しているように感じました。
一昔前のようなマネジメントであれば、「何を言ってるんだ、私だって有給なんて取ったことないのになんで若造のお前が取れるんだ」といっても許されるかもしません。なぜなら、文句があれば辞めてもらって構わないというスタンスだったからです。
しかし、今は人手不足の時代です。企業がこんな劣悪な文化を持っていると人材不足がますます加速します。誰だって権利を侵害されるような企業で活躍したいとは思わないからです。
そうなると今後採用面でマイナスでしかならなくなり、会社の存続は難しくなると思っています。
本項では有給について書いていますが、そのほかにも本来は従業員の権利として守られるものが守られない(月休暇数や残業など)企業は存続が難しくなるでしょう。
当たり前の基準を根本から変えて、部下の意見を受け入れ実行に移すことが欠かせません。