「過労死ライン」を超える教師が6割以上…毎年5000人が休職する“学校の実態”
2020年06月26日 公開 2022年07月14日 更新
毎年5000人の精神疾患休職を出す学校業界
問題は、過労死、過労自殺だけではありません。そこにもつながりかねない、うつ病などの精神疾患で悩む先生もたくさんいます。
図は精神疾患による病気休職した教員数の推移をまとめたものですが、全国の公立学校では、ここ10年ほど、毎年約5000人の教員が精神疾患で休職しています。
いま、学校も、日本社会全体も、人手不足が深刻です。そんななか、毎年5000人(10年では延べ5万人!)もの精神疾患休職を出す業界がほかにあるでしょうか?
精神疾患による休職者数は、2000~02年度(平成12〜14年度)は毎年2300~2700人程度、1997~99年度(平成9〜11年度)は毎年1600~1900人程度であったことを考えると、当時と比べて、ここ10年は倍増しています。
しかも、これは氷山の一角である可能性が高いです。病気休職になる手前は、病気休暇といって、90日くらいまで休めます(上限日数は各県の条例等による。給与も支給)。また、休むと周りに迷惑がかかるからといって、休めないでいる教員も多いです。
そのため、実際はメンタルを病んでいる教員はさらに多いであろうと言われているような状況なのです。