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エマニュエル・トッドの警告「コロナが覆い隠した日本の本当の危機」



2020年07月24日 公開

エマニュエル・トッド(訳:大野舞)

エマニュエル・トッド
(写真:井田純代)

現代最高の知識人と称されるフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏。トッド氏は今回のコロナ危機への各国の対応をどう見たのか。

世界的に広がる教育格差問題を分析し、ウィズコロナ時代に加速する新たな階級化を論じた4年ぶりの近著『大分断 教育がもたらす新たな階級化社会』(PHP新書)から抜粋してお届けする。

 

コロナが明らかにした各国の強みと弱み

世界中で大流行を見せている新型コロナウイルスは、各国の強みや弱みを明らかにしました。フランスの結果は並以下という感じですが、すでにコロナ前からフランス社会は危機的な状況にあったのです。

近著『大分断 教育がもたらす新たな階級化社会』で指摘している通り、生活水準は低下し、黄色いベスト運動が起き、エリートが大衆を軽蔑し、一部を除いて社会の貧困化を進めるような年金制度改革を押し付けるなどということが起きていました。

そんな中で新型コロナウイルスという危機が訪れ、マスクが自国で十分に作れないというような、まるで発展途上国のような状態が明らかになってしまったのです。

フランス政府はマスクが不足していることを知っていたため、マスクは必要ないなどと弁明したりしました。死亡者数は人口10万人当たり約43人という結果になってしまいました(2020年6月時点)。そしてロックダウン(都市封鎖)は経済に大打撃を与え、これから労働市場に参画しようという若者たちを追い込むような事態を招きました。

一方の日本では、厳しいロックダウンはされませんでしたし、マスクの供給もありました。10万人当たりの死亡率も約0.76人(2020年6月時点)と、非常に少なかったのです。ロックダウンをしたフランスの方が60倍弱の死者を出した計算になります。

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コロナ危機で覆い隠された、日本の「本当の危機」 >



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