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「ラクに目標達成する人」がやっている7つの習慣

長田英知(良品計画執行役員)

2020年07月31日 公開 2023年09月15日 更新

目標設定のコツ4:目標を達成できなかったときもイメージする

設定した目標が、自分にとってどれぐらいの価値があるのかを判断する手法として効果的なのが、「目標を達成できなかったときの自分」をイメージしてみることです。

頑張ったにもかかわらず、残念ながら目標が達成できなかったとき、自分はどのように感じるのか。目標が達成できなかったことで、自分の将来的な目的にたどり着くことに、どのような影響があるのか。そして目標を達成できなかったことを踏まえてもう一回、同じ目標を立てるのか、それとも違う目標を立てようとするのか。

目標を達成できなかったときをイメージしたとき、「もう一度チャレンジして、絶対に達成したい」「目的を達成するためには不可欠な目標だ」といった感情が湧き上がってくるなら、その目標設定は適切である可能性が高いと言えます。

一方、「達成できなくてもそこまで悔しくない」「目的の達成のために必要じゃなかったかも」「一度ダメだったらあきらめるだろうな」といった感情であれば、もっと前向きになれる別の目標を考えた方がいいかもしれません。

別れた後に自分にとってどれだけ大切な人だったかと気づくことが恋愛ではありますが、失敗してしまった自分を想像することは、自分にとって大切なものに気づく方法の1つでもあるのです。

 

目標設定のコツ5:目標を写真や画像でイメージ化する

目標を具体的にイメージする効果的な手法としてご紹介したいのが、「目標を達成した結果を象徴するような写真、イラスト、図を計画書に貼りつけておく」ことです。文字は情報を正確に伝えることを容易にしますが、文章を読んで、その内容を理解しないといけないという手間がかかります。反面、画像はパッと見ただけで、多くの情報を伝えることができます。

この「画像が持つ力」を利用して、自分の目標、さらにはその先にある目的をイメージすることができる写真、イラスト、図などがあれば、計画書に張りつけてしまうことをおすすめします。

例えば受験であれば目指す大学の校舎の写真を貼ったり、ダイエットであれば、憧れのモデルの写真を貼るのもよいかもしれません。そうすることで、つらいときでも計画書を見ることで、目標や目的の達成に向けて、気持ちを奮い立たせることができるようになります。

 

目標設定のコツ6:その目標は「0/1の目標」か「段階的な目標」か?

目標を設定する際には、目標には2つのタイプがあると理解しておくことも大切になります。その2つのタイプとは「0/1の目標」と「段階的な目標」です。

0/1の目標の例としてわかりやすいのは、試験の合格です。試験は合格か不合格かの二者択一で分かれ目がはっきりしています。

スケジュール通りに真面目に勉強したとしても、不合格であれば目標は達成できたことになりません。逆に途中、勉強をさぼったとしても、運よく合格することができれば目標達成となるわけです。

一方、段階的な目標とは、3キロやせるといったようなものが当てはまります。例えばダイエットして3キロやせることを目標とした場合、仮に2キロしかやせなかったとしたら、目標は達成できていないかもしれません。しかしその努力がすべて無駄になるわけではなく目的に向かって一定の成果は上がっていると言えます。

もしあなたが掲げる目標が段階的な目標であるならば、継続的に効果や成果を出し続ける仕組みを作ることも目標の1つとなるかもしれません。ダイエットの目標を掲げて達成したとしても、その後リバウンドしたら意味がなくなってしまいます。

また健康診断で医師からやせるように診断された場合も継続的な体重管理が必要です。目標の達成後も継続して効果を維持できるのか、さらなる改善を実現できるのかということを、段階的な目標の場合は計画段階から考慮しておくと良いでしょう。

 

目標設定のコツ7:目標設定に「絶対の正解はない」

目標設定に関して最後にお伝えしたいことは「目標設定に絶対の正解はない」ということです。私たちは物事には常に正解があるとつい思いがちです。学校の勉強で出される問題には、必ず正解がありました。

この経験から私たちは、目的の達成を可能にする目標には、たった1つの正解しかないと考え、「この目標は、はたして目的の達成につながるたった1つの正解なのだろうか?」と不安になったりします。

しかし少し過激な言い方をすると、目標Aと目標Bのどちらがより目的の実現に近づくかといったことは、実際には非常に判断が難しい事柄になります。

さらに言えば、目標Aと目標Bのどちらが適切かは人によっても異なります。適切な目標を立てることはとても大事なことですが、よりよい目標は何かとずっと考え、探し続けているよりは、概ね正しいと思われる目標が見えたら素早く動き出す方が、結果としてより早く目的にたどりつくことができるのです。

目標設定が正しいかどうかを気にしすぎて動かないよりは、ある程度悩んだら、後は正解になるかどうかはその後の努力によって決まるというぐらいの気持ちでとにかく動いてみる方が、結果的にうまくいくということを理解しておくと良いと思います。

【著者紹介】長田英知(ながた・ひでとも)
東京大学法学部卒業。地方議員を経て、IBMビジネスコンサルティングサービス、PwC等で政府・自治体向けコンサルティングに従事。2016年、Airbnb Japanに入社。日本におけるホームシェア事業の立上げを担う。2022年4月、良品計画に入社。同年9月よりソーシャルグッド事業部担当執行役員に就任。社外役職として、グッドデザイン賞審査委員(2018~2021)、京都芸術大学客員教授(2019~)等。著書に『たいていのことは100日あれば、うまくいく』(PHP研究所)、『ワ―ケーションの教科書 創造性と生産性を最大化する「新しい働き方」』(KADOKAWA)などがある。

 

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