付箋が引き出す「心理学的な効果」とは? 在宅勤務でモチベーションが劇的に上がる方法
2020年09月09日 公開 2022年06月02日 更新
たった1分の準備が20倍の効率を生む
突然ですが、あなたが家族の誰かから、次のように言われたときのことを想像してみてください。
Aパターン: 「たまには食事の用意をしてくれる? ご飯を炊くだけでいいよ。そこにレトルトのカレーをかけて食べよう」
Bパターン: 「たまには食事の用意をしてくれる? パエリアを作ってくれればいいよ」
さて、あなたはAパターンとBパターンのどちらを言われたときの方がやる気になりますか?
料理好きの人、あるいは料理が得意な人ならいざ知らず、多くの人はAパターンなのではないでしょうか。少なくとも私はAパターンです。「パエリアを作ってくれればいいよ」と言われても、パエリアの作り方をまったく知らない私は「え? どうやって?」と困惑するに違いありません。
作り方がわからないので、「さあ、やろう」という気にはなれません。このように「やり方を知らない」ということが、やる気を下げる原因になる場合が案外多くあります。子どもに「勉強しなさい」と言ってもなかなかやらないのは、その子どもが勉強の方法を知らないからという場合もあるのです。
勉強に関しては、私は高校時代にこのことを深く実感しました。高校時代の私は偏差値が30台のいわゆる「落ちこぼれ」で授業中は先生の話を聞かず、ノートもろくにとっていませんでした。
しかし、同じ高校時代に同級生と新聞沙汰になるようなけんかをしてしまったことをきっかけに、「このままじゃダメだ、一生懸命勉強して自分を変えていこう」と思うようになったのです。
ところがそれまでまともに勉強をしたことのなかった私は、そもそもどうやって勉強をすればよいかわかりませんでした。教科書や問題集を開いてみても、書いてある内容量が膨大でどこから手をつけてよいかがわからず途方に暮れたのです。
そこでクラスの中で成績の良さそうな友だちに、どうやって勉強すればよいのかを聞きました。
すると「先生が黒板を書くときに、ここはテストに出るぞと言っているところがあるだろう? そこをとにかく片っ端から覚えていけばいいんだよ」と言って、重要箇所がしっかりマーキングされているノートを貸してくれたのです。
そして彼に言われた通りに、重要箇所を暗記しまくりました。するとテストの点数が見る見る上がっていったのです。このときに私は、自分が勉強ができないのは勉強のやり方を知らなかっただけなのだと気づきました。だったらそのやり方を知って、それを愚直にやり続ければいいだけじゃないかと。
しかもそれは勉強に限ったことではなく、やり方さえわかればできることは自分にもきっとたくさんある、やり方を知ることは自分の可能性を広げることだと気づいたのです。
以来、まずはやり方を知る、そのための情報を集めるというのは、私が何か新しいことに挑戦するときの重要な第一ステップになっています。具体的なやり方がわかればあとはやるだけ。自然とやる気も湧いてきます。