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「飛べないダチョウ」が生存競争を勝ち抜いた“必然”



2020年11月25日 公開

稲垣栄洋(生物学者・植物学者)

 

自然界では「強いものが生き残る」のではなく「生き残ったものが強者」

「しぼり込む」ということはナンバー1になるための要素である。コアな事業や勝てる分野にしぼり込むことは、ナンバー1になるために重要な作業である。

ビジネスの場面でも、「選択と集中」はよく言われるワードだ。

しかし、しぼり込むために、選択と集中を行い、その他のものを捨ててしまうことは、正しいことなのだろうか。ナンバー1で勝てるところにしぼり込んだから、安心ということにはならない。

なぜなら、時代は移り、状況は常に変化していくからである。ナンバー1を獲得したからといって、ずっとそのままナンバー1でいられるという保証はどこにもないのだ。

自然界では強い者が生き残るのではなく、生き残ったものこそが勝者である。勝者であるためには、「変化」というものを無視することができないのだ。

 

すべての生物は、それぞれのカテゴリで「ナンバー1」だから生き残っている

「強者の戦略」とか「弱者の戦略」というが、そもそも何をもって強者というのだろう。生き残るものが勝者であるとすれば、この世に生きるすべての生物が勝者である。ナンバー1しか生きられないのが自然界の鉄則だとすれば、すべての生物がナンバー1である。

生物の世界では、強いとか、弱いとかいう尺度は、私たちが思うほど単純ではない。

たとえば、自然界は「弱肉強食」といわれる。

強い者が生き残り、弱い者は滅びてゆく。本当にそうだろうか。「弱肉強食」というけれど、実際には食べる獲物がなくなってしまえば、強者は飢えてしまう。しばらくは共食いして生きながらえることができるかも知れないが、やがては滅んでしまうことだろう。

実際に現在、ライオンやトラ、オオカミやコンドルなど強そうに見える生き物は、どれも絶滅が心配される絶滅危惧種になっている。

一方で、私たちの周りを見回せば、どう見ても強そうにない生き物があふれている。弱そうに見える生き物がはびこっていたとする。弱そうに見える生き物も、つまらなく見える生き物も、すべてナンバー1の勝者である。

生物にとって、強さとはいったい何なのだろうか? 強い者が生き残るわけではないし、弱い者が滅びるとはいえないのだ。



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