イライラの発生源をたどる
ネガティブ感情は危険信号を送ってくれるという意味で必要なものであるということがわかりました。まずいのは、それをいつまでも引きずることです。では、ネガティブ感情とどのようにつきあえばいいのでしょうか。
まず、悲しみや怒りやイライラなどのネガティブ感情が起こったら、自分を責めずにその感情のままにしましょう。そして静まるまで待ちます。怒りのあまり、相手を怒鳴ってしまうこともあるでしょう。それは仕方ありません。
しかし、相手を深追いするのは避けましょう。深追いすると相手との関係を永遠に壊してしまうかもしれません。少し気持ちが落ち着いたら、このネガティブ感情が何を知らせているのかを考えましょう。
考えられるようになれば、もうあなたは感情に支配されていません。感情に支配されている間は考えることはできません。考えられるようになったら、感情をコントロールできているということです。
簡単に言えば、感情のコントロールとは感情から思考に切り替えることです。感情をそのまま受け取ったあとは、考えることにスイッチします。それがスムーズにできるようにする練習をしましょう。
考えられるようになったら、何が問題でネガティブ感情が起こったのかを特定しましょう。自分がこうあってほしいと抱いていた期待が完全に裏切られたからなのか。相手はこのように行動するべきだと考えていたことが完全に裏切られたからなのか。
ネガティブ感情が起こるところには、必ず自分の期待や予想していたことが裏切られているはずです。それを危険として知らせるためにネガティブ感情が発動されたのです。
苦手な人から、目線をそらさない
ネガティブ感情は自分の期待が裏切られたときに、それを知らせてくれるものだということがわかりました。では、そのあとはどのように対応したらいいのでしょうか。
ネガティブ感情にはたいていの場合、相手がいます。自分が不当に評価されたというのであれば、評価した相手がいます。自分が期待したとおりの働きをしてくれなかったというのであれば、その相手がいます。
このように、相手の行動が自分の期待を裏切っているときにネガティブ感情が起動します。とすれば一番良い解決方法は、相手と話してみるということです。
相手と話をする目的は、相手を非難することでもなく、相手を励ますことでもありません。自分の「こうあってほしい」というイメージを共有することです。
自分の「こうあってほしい」という期待を相手が裏切ったので、怒りやイライラというネガティブ感情が起動したのですから、それを相手に伝えることが解決の第一歩となります。
そうすると相手は「そういうことを期待していたのですね。初めて知りました」と答えるかもしれません。または「その期待は私が考えていることと反対です」と言うかもしれません。
いずれにしても、自分の期待を話すことで相手とビジョンを共有することができます。このように進めていけば、ネガティブ感情が起こったことをきっかけにして、相手との関係性を良い方向に持っていくことができます。
これこそが、ネガティブ感情の正しい使い方なのです。自分の感情をコントロールすることは、初めはなかなかできないかもしれません。それは当然のことです。
これまでそう考えたこともなかったし、それを練習する機会もなかったからです。それを少しずつ練習していきましょう。