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「転職先なしに陥る人」と「上手に転身できる人」の決定的な“意識の差”

黒田悠介(ディスカッションパートナー)

2021年04月26日 公開 2022年10月06日 更新

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オーナーはインフルエンサーでなくてもなれる

著名人のようなインフルエンサー型のコミュニティはその人物が中心になってコミュニティが活性化するタイプが多いですが、わたしのようにインフルエンサーではないタイプの人はテーマを中心にコミュニティを作ることが多いようです。

テーマとして一般的なのは、オーナーが好きなモノやコト、価値観、趣味などです。

たとえば、わたしが主宰している「議論メシ」は議論することに価値を感じる人が集まるコミュニティです。

ほかにもわたしの知人が主宰しているものとして「朝渋」は朝活、「はじまり商店街」はにぎわい作り、「やわラボ」はライブ配信、というようにテーマの種類は本当に多彩で、挙げればきりがありません。

自分ならどんなコミュニティを立ち上げるか、考えてみるのも面白いでしょう。

コミュニティにはオーナーの熱量が必要なので、「自己理解」に沿ってテーマを選ぶ必要があります。だからこそこれだけ多彩なコミュニティが増えているのだと思います。

また、対話を仕事にしてきたコンサルタントやコーチ、カウンセラーなどがコミュニティを立ち上げているケースもあり、その場合は対話の「スキルセット」が活かされています。

また、もともと蓄積していた「人的ネットワーク」を活かしてコミュニティを形成する場合もあります。このように、コミュニティオーナーもスキルセット、人的ネットワーク、自己理解という「三つの蓄積」によって見いだされる隣接可能性の一つと言えるでしょう。

 

ディスカッションパートナーという可能性

わたし自身の例もご紹介しておきましょう。わたしの肩書きの一つに「ディスカッションパートナー」があります。文字通り議論(ディスカッション)をするさいの相手役(パートナー)をする仕事です。

新規事業を中心に、スタートアップから大企業まで、新しいプロジェクトを進めていく伴走役を務めてきました。

2015年から約5年間、計100社以上とご一緒させていただいてきたこのディスカッションパートナーという仕事も、それまでの仕事を通じた「三つの蓄積」によって見いだされた隣接可能性です。

少しずつではありますが、わたし以外にもディスカッションパートナーを名乗ったり、肩書きは違っても近い価値提供をしている人が増えています。

いろんなタイプのディスカッションパートナーがいるなか、わたしの場合は、ベンチャー企業の経営者として得た「事業立ち上げ」の「スキルセット」や、2年間で1000人以上と実施したキャリアコンサルティングで得た「対話による態度変容の知見」という「スキルセット」が役に立ちました。

そこに議論が好きという「自己理解」が合わさり、「議論を通じて経営者をサポートし、新規事業を推進するディスカッションパートナー」というキャリアが隣接可能性として見いだされたのです。

2015年8月の独立時点では「人的ネットワーク」は広くなかったので、平日のランチを毎日違う人と食べるという習慣でカバーしていきました。

ちなみに、経営者ができたのも、その前職で新規事業に携わったときの「スキルセット」があったからですし、

経営者のあとにキャリアコンサルタントになろうとしたのも、日本の就職先の人気が大企業に偏っていてベンチャー企業が不人気であることに課題を感じた「自己理解」があったからこそでした。

そうやって一つ進むごとに新しい隣接可能性が見いだされ、先に進んでいく、という繰り返しです。

 

テクノロジーの進化も自分の未来を切り開く鍵に

ライフピボットの「三つの蓄積」とテクノロジーが掛け合わさって隣接可能性が増える場合があります。

たとえば、ゲームの大会に出場して賞金を得たりスポンサーを得たりするプロゲーマーは、ゲームのオンライン対戦機能が充実して競技人口が増えたことで実現した職業だと言えます。

オンライン対戦が実現していなければ、人対人の駆け引きの面白さを知る機会が少なく、プロが成り立つほどの競技人口になっていなかったのではないでしょうか。

高い反射神経などの「スキルセット」とゲームが好きという「自己理解」のある人が、テクノロジーのおかげでプロゲーマーというキャリアを隣接可能性として見いだせるようになったのです。

また、オンラインでのコミュニケーション技術の発達によって可能になった職種に、オンラインセールスがあります。セールスといえば訪問が必須でしたが、オンラインでヒアリングや商談を行う非対面のオンラインセールスと呼ばれる職業が一般的になってきました。

セールスの「スキルセット」があれば、オンラインセールスにピボットすることができるでしょう。同様に、販売員といえば対面でモノを売るイメージですが、最近ではオンラインでライブ配信を通じてモノを売るライブ配信販売員も増えてきています。

 

自分の足りない点もツールで補える

また、テクノロジーによって不足している「スキルセット」を補うこともできます。たとえば、会計ソフトを使えば経理処理という「スキルセット」が必要ではなくなります。

わたしはそのおかげでフリーランスになれたと言っても過言ではありません。もし手軽に使える会計ソフトがなければ、わたしはフリーランスとして活動するなかで会計処理に苦しんでいた可能性が高いです。

このように、テクノロジーの進化はわたしたちの隣接可能性を広げてくれる場合があります。

新しいサービスが世の中に出てきたら「これを自分の三つの蓄積と組み合わせて何かできないか」と考えてみるといいでしょう。

 

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