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仕事

「天職に就く」だけじゃない、自分のキャリアの可能性の見極め方

黒田悠介(ディスカッションパートナー)

2021年04月27日 公開 2022年10月06日 更新

 

やりたいしできるけどニーズがない=趣味

さて、ここから検討する価値のある隣接可能性のパターンになります。Eはやりたいしできるけど、ニーズがない。これは言い換えれば「趣味」とも言えるでしょう。

たとえば、わたしはパズルを解くのはやりたいしできることですが、誰かのニーズにマッチしてはいないので趣味ですね。

黒田悠介

しかし、それを極限まで極めてパズルを華麗に解く動画を観たいというニーズがある人に届けることができれば、その活動は結果的に「Need」を満たすことになります。

つまり、Eのパターンのようにやりたいしできることなら趣味として取り組んでみて、上達してきたら誰かに教えたりパフォーマンスとして披露することでニーズが出てくれば、三つの輪を満たす可能性があります。

これならやってみる価値がありそうです。趣味なので、結果的にそれが天職や起業などにつながらなかったとしても問題ありません。気軽に始めることができるでしょう。

 

やりたいしニーズはあるけどできない=協働

次にFのパターンを見てみましょう。Fはやりたいしニーズはあるけど、できない。これは「協働」プロジェクトと言えるでしょう。

たとえば、わたしは、地域におけるフリーランスの活用は実現したいしニーズはあるのですが、できることではなかったので、地域に根ざした活動をされている方と協働で取り組むことで「Can」を満たすようにしていました。

黒田悠介

つまり、Fのパターンのように自分ではできないけど、ニーズがあることはわかっているなら、できる人を誘って一緒に活動すればいいのです。

協働しているうちに自分でもできるようになれば、その活動は結果的に「Can」を満たし、三つの輪を満たすことになります。

個の時代はすべてが自己責任で、自分で何でもやろうとする人も多いように思います。でも、わたしたちは分業によって社会を成立させています。あなた自身のキャリアも分業で成立させていいのです。

わたしは料理は作れませんがレストランをやってみたくなったので、キッチンスペースを借りてフリーランスのシェフに料理を作ってもらったことがあります。

こうした仲間作りで重要なのは、自分のことを発信し続けることです。誰かに会ったらこのFの領域にある隣接可能性について話してみたり、ブログを書いたり、SNSでつぶやいてみたりするのです。

そうやって自分のしたいことはこれだと表明する、つまり旗を立てることで、偶然の出会いが訪れる可能性が高くなります。

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できるしニーズもあるがやりたくない=貢献

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