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社会

「若者だからITに強い」 という偏見の罪…思い込みが個人をつぶす現実

パク・スックチャ(株式会社アパショナータ代表、コンサルタント)

2021年05月13日 公開 2022年02月01日 更新

 

「若者はITに強い」ポジティブなバイアスも

ネガティブなバイアスが多いなか、根拠なくポジティブに判断することもあります。

「若者はITに強いだろう」
「男性だから車の運転が上手い」
「帰国子女だから英語を使う仕事を任せよう」
「有名大学を卒業した人は、仕事の能力が高い」

「できるだろう」といったポジティブな気持ちであったとしても、属性でひとくくりにしたら偏見になります。

ITに弱い若者も、運転が苦手な男性もいれば、英語圏に住んでいなかった帰国子女もいるでしょう。有名大学卒でも仕事がさほどできない人もいます。期待されるほど成果を出せない人にとって、ポジティブ・バイアスは劣等感を持つ要因となり、罪悪感やストレスを抱えることもあります。

ポジティブなバイアスであっても、ネガティブなバイアス同様に思い込みであり、十分な根拠はありません。人をカテゴリーに押し込め、個人を無視して捉えてしまいがちになります。

人を属性などで枠にはめずに、相手を「個」として知り、本来の個性や能力を理解して判断することが重要です。そのためには、推測はしないで、相手に質問し、相手の話をよく聞き、一人一人と向き合うようにしてください。

 

可能性を閉ざす、自分へのバイアス

バイアスは他人に対してもつだけではありません。自分に対してももってしまいます。

「男だから安定した職業を選ばないといけない」
「女だからそんなに勉強しなくてもいい」
「若いからリーダーが務まるわけがない」
「大学を中退したからいい仕事には就けない」

自分の属性へのネガティブな思い込みによって、自分の可能性を潰してはいませんか?

社会に存在するバイアスを信じてしまうことにより、劣等感をもち、自分にフタをしてチャレンジできず、自らチャンスを逃がしてしまうことが多々あります。

これらの固定観念は自己の過小評価につながり、本来持っている才能が発揮できなくなります。自分で自分の成長を阻み、せっかく持っている個性や能力が活かされなければ、自分らしく生きることはできません。

今までお伝えしたように、バイアスには十分な根拠がないのです。自分自身にバイアスをかけることにより、自分の将来や可能性も潰してしまう恐れがあることを認識しましょう。そしてムダな思い込みから自身を解き放して、一歩踏み出して下さい。

 

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