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「サッカーや水泳は興味なし...」一流ビジネスマンの“五輪観戦”

成毛眞(HONZ代表)

2021年07月27日 公開 2022年06月30日 更新

「サッカーや水泳は興味なし...」一流ビジネスマンの“五輪観戦”

東京オリンピックが開幕した。コロナ禍で1年越しの開催、場外の不祥事も重なり批判の声もあがるが、なんだかんだ観戦を楽しむ人は多いだろう。

そこで、本稿ではオリンピック観戦を戦略的に役立てる方法を紹介する。本稿では、成毛眞氏の新著『一秒で捨てろ!』 (PHPビジネス新書)より、ビジネスパーソンが知っておきたい「捨てる力」について述べる。

 

「テレビはオワコン」と言うヤツこそ終わっている

一目置かれるようなアウトプットをし続けるには、面白いネタを継続的にインプットし続ける必要もある。ただ、日本のビジネスパーソンはインプット過剰だ。なんでもかんでも見たり読んだりしていたら、膨大な時間を費やしてしまう。

そこで、いい加減でくだらない情報の多い情報源を思い切って捨てて、良質な情報源に絞ることが重要だ。では、何に絞れば良いか。

かつてIT企業の社長を務め、書評サイトを主宰しているという私の経歴から考えると、インターネットサイトか本をすすめそうだが、そのどちらでもない。

おすすめは、ズバリ「テレビ」だ。

私自身、書評を書くために多くの本も読むし、ネットでニュースをチェックすることもあるが、その時間よりも、テレビを見ている時間のほうがはるかに長い。どんなに忙しくても最低3時間は見ているし、家にいるときは午後はテレビをつけっぱなしだ。

こう言うと、「え、テレビなんてオワコンじゃないですか」「テレビは情報弱者が見るもの。くだらないので見ていません」などと言う人が必ずいる。

実際に何が放送されているかを知りもせず、適当な発言は慎んでもらいたい。テレビは、素晴らしい番組が山ほどある、最強の情報源だ。それを知らないヤツこそ、完全に情弱だ。

なぜそこまで言えるのか。

ネットにはたくさんの情報が流れているが、その多くは調査がいい加減で信憑性に欠ける。インタビュー記事は、記者やライターの質が低く、裏も取らずに思い込みでデタラメに書いたものだらけだ。

それに対し、良質なテレビ番組の特徴は、とにかく綿密に調べ上げている。それだけに、ネットだけでなく、本よりも深い情報が得られることが多いし、信憑性も高い。

公共の電波を使ってフェイクニュースを流したら、バレたときのダメージが大きすぎるので、良い番組は、絶対に裏を取っている。収録してから放送するまでの期間も短いので、情報の鮮度もじつは高い。

ネットで面白い記事も、よく見るとテレビがネタ元だったりする。それなら、初めからテレビを見たほうが効率的だというわけだ。

 

オリンピックは「音」を楽しむもの

スポーツもインプットには最適だ。話のネタになるし、選手の活躍を通して自己成長に役立てる人も多いだろう。

あらゆる意味で注目を集める2020東京オリンピックだが、ただ闇雲にテレビ観戦するのでは芸がない。

私自身日本人がメダルを獲得しそうな競技や、世界的なスター選手が出場する競技にはまったく興味が湧かない。水泳やサッカーなどの人気競技も、テレビの前に鎮座してまで見たいとは思わない。

そんな私が注目しているのは、「音」が楽しめる競技だ。

たとえば、「クレー射撃」。ハワイの射撃場で、散弾銃を撃ったとき、ピストルの100倍もの銃声に、「爆発したのか」と腰を抜かしたほどだ。

独特の緊張感のなか、一流のアスリートによる銃声音を全身で感じたい。通常行なわれる大会に足を運ぼうとまでは思わないが、オリンピックのような大舞台だったらテレビ観戦くらいしてもいいのではないだろうか。

音を聞くなら、「ゴルフ」もいいだろう。

ゴルフを趣味にしている人なら、トップゴルファーの打球音を一度は聞くべきだ。ドライバーなどは、ドカーンと打球音がしたあと、シュシュシュシューという音を立てながらボールが飛んでいく。接待ゴルフでは絶対に味わえない大迫力である。

オリンピックではないが、自転車のロードレースも、音がすごいらしい。毎年「ツール・ド・フランス」を観戦している知人が言うには、選手が見えていないのに、遠くのほうから「グーッ」と雷鳴のような音が聞こえてくるそうだ。そして、選手が来たと思ったら、目の前をバーンと過ぎ去っていく。選手が駆け抜けた際の風を感じるのが、自転車競技観戦の醍醐味だという。

バレーボールのスパイクや、テニスのサービスショットも「ハンパない」音を響かせるだろう。そんなふうに、「音のするスポーツだけ」を突き詰めていけば、誰もが耳を傾けたくなる価値あるネタになる。

残念ながら「無観客のオリンピック」となってしまったので、会場まで足を運び、間近で生観戦はできないが、画面を通して音の迫力を堪能してみてはどうか。

 

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