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自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」

小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

2021年09月20日 公開 2022年01月27日 更新

自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」

疲れやストレスがたまりやすい昨今。それには、「自律神経の乱れ」が関係しているかもしれません。日々の習慣を見直し、心と体のセルフケアをきちんと行なうことが大事です。

※本稿は、『PHPスペシャル』2021年10月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

自律神経の乱れは、あらゆる不調の原因

新型コロナウイルスの流行によって、今まで当たり前にできていたことができなくなり、生活が大きく変わって、私たちはよりストレスフルな日々を送ることになりました。

そんな毎日の中で、「体がだるい」「やる気が起きない」「疲れが抜けない」など、「なんとなく不調」を感じている人も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、それは「自律神経」が乱れているからかもしれません。 自律神経とは、簡単に説明すると、心臓や腸、胃といった内臓器官のすべて、とりわけ血管をコントロールしている神経です。呼吸も自律神経がコントロールしています。ですから、自律神経が人間の生命活動=ライフラインを支えていると言っても過言ではないのです。

私はこれまで長年にわたり自律神経について研究してきましたが、自律神経のバランスが崩れると免疫力が下がって病気にかかりやすくなり、心と体にさまざまな不調をきたすことがわかりました。

自律神経は、夜更かしや朝寝坊といった不規則な生活はもちろんですが、不安や恐れ、怒りといったネガティブな感情を抱くことでも乱れます。 日々暮らしていれば、私たちは多かれ少なかれストレスを受けます。

このコロナ禍においては、不安や心配がつきないでしょう。問題は、そうしたストレスをためこみ、自律神経のバランスを崩して心身に不調をきたしてしまうこと。そうならないために、日々の過ごし方を少し見直し、自分にやさしい暮らしを心がけてみましょう。

 

「自律神経」を整えることが健康のカギ!

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2種類に大別されます。 車でたとえると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキです。交感神経が優位に働いているときは、血管が収縮して血圧が上がり、アグレッシブな状態になります。

逆に副交感神経が優位に働いているときは、血管が弛緩(しかん)して血圧が下がり、リラックスした状態になります。 車を運転するとき、アクセルとブレーキの両方がうまく働いてこそ、安心してスムーズに運転できます。

人間の活動も同じです。もっとも心身の状態がよく、パフォーマンスが高まるのは、交感神経と副交感神経がともに高いレベルで働き、安定して機能しているとき。

交感神経と副交感神経の両方の働きが低い、もしくはどちらか一方だけが優位に働く状態が長く続くと、心身に不調をきたします。

ストレス社会で生きている私たちは、どちらかというと交感神経が優位になりがちです。若い頃は副交感神経の働きが高いため、ストレスを受けて自律神経が乱れたとしてもすぐにリカバリーできるのですが、男性は30歳、女性は40歳を過ぎると副交感神経の働きがガクンと落ち、10年ごとに約15パーセントずつ低下します。

放っておくと自律神経のバランスが乱れたままになってしまうので、自分で意識して整えることが必要なのです。

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自律神経セルフチェック!

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