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金メダル・侍ジャパンが五輪で倒した相手は「間違いなく強敵だった」と言える理由

ゴジキ(@godziki_55)/野球著作家

2021年10月06日 公開

 

NPB在籍、元メジャーリーガーを揃えた強豪アメリカ

アメリカは、2019年のプレミア12で日本が唯一敗戦した国である。

NPBの球団からは、野手ではDeNAのタイラー・オースティンがメンバーに選ばれた。オースティンは、今シーズン前半戦終了時点で、打率.31419本塁打49打点OPS1.017を記録していた。

会場が普段プレーしている横浜スタジアムである点においても、かなり脅威になる選手だった。また、ヤクルトのスコット・マクガフは、今シーズン前半戦終了時点で、39試合に登板して2勝1敗防御率2.39を記録しており、今大会はアメリカ代表のブルペン陣の一角として期待されていた。

ちなみに日本代表では坂本がマクガフとの相性が良く、今大会前時点で打率.5001本塁打1打点を記録していた。もしマクガフがマウンドに上がったら、ランナーを置いた状況で坂本に打順を回せるかがポイントになりそうだ。

さらには、ソフトバンクのニック・マルティネスも選出されている。マルティネスも今シーズンは前半戦終了時点で、7勝2敗防御率2.03と、素晴らしい成績を残していた。月別成績は、7月は2戦2勝で防御率1.29という最高の状態だ。五輪に向けてコンディションは仕上がっていただろう。

アメリカはこれまでの五輪で、バルセロナ五輪とアテネ五輪以外はメダルを獲得しており、勝ち上がる安定度合いは頭一つ抜けている国でもある。

オープニングラウンドの韓国戦では、ソフトバンクに所属しているニック・マルティネスが5回を1失点に抑えた。オースティンは、日本戦が始まるまでは、大会を通して打率.444を記録していた。

初戦のイスラエル戦ではホームランを記録している。さらに、勝ちパターンとしてマクガフが投げる可能性も高い。相手にリードを許さない展開で試合を進めていきたいところだろう。

投手陣を見ると、ドミニカ共和国やメキシコのように、先発投手から2番手以降に一気に能力差があるわけではなく、クローザーまでつなげていることから、これまでのような力技で逆転することは難しいチームだと考えられる。

注目した選手は、2014年のソチ五輪でスピードスケートの代表にも選ばれていた、異色の経歴を持つエディ・アルバレスだ。今大会では2番打者として活躍していた。

また、4番のトリストン・カサスは、MLBのトッププロスペクトとしても注目されている選手で、韓国戦では逆転ツーランを放ち、勝利に貢献している。これまでもU18や五輪予選などの国際大会では、大舞台での勝負強さを見せている。このように2番から4番は注意すべき打者が並んでいたのだ。

アメリカチームを全体的に見ると、NPBに在籍している外国人選手をはじめ、元メジャーリーガー、トッププロスペクトにあたる選手とバランスは抜けているため、この大会の山場の一つの試合であったと思う。

日本代表は、フル代表の国際大会では、2017年のWBCと2019年のプレミア12で敗れているため、アメリカ戦に対する気持ちはこれまで以上のものがあっただろう。

 

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