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「働きがい」か「年収」か...日本の会社員がFIREを目指すときの心構え

山崎俊輔(フィナンシャル・ウィズダム代表,ファイナンシャルプランナー)

2022年01月05日 公開 2022年01月05日 更新

 

本気でFIREしたいなら、年収が優先

もし、本気でFIREを実現したいと考えるなら、「働きがい」と「年収」のどちらを優先させるべきでしょうか。FIRE本ではしばしばこのテーマが議論されています。

これは明らかに「年収」を優先するべきです。

そもそも、私たちが元気よく仕事をして稼げる時間は限られています。やりがい搾取に引っかかって毎年何十万円から何百万円も稼ぎ損ねているのは大きな損失です。早くリタイアしたいと願うなら、稼げる年収を確実に、少しでも多く稼ぐことが優先です。

そもそも、「能力があるのに評価が低い」というのはあなたの能力のムダ遣いでもあります。稼ぐ能力がある人は、その能力に見合う年収をもらう権利があります。

転職をためらう人の多くが「自分が会社を辞めると迷惑がかかる」というのですが、そうならないようにマネジメントするのが経営者の仕事です。転職されなかったとしても、あなたが病気やケガでしばらく働けなくなることもあります。そのとき会社が回らないとしたら、会社の体制のほうに問題があるのです。

会社の心配をしている時点でもう、あなたは「やりがい搾取」をされているのです(そして、これはあまり聞きたくない話かもしれませんが、あなたが辞めても、会社はなんとか仕事を回していくものです。だとしたらなおさら気にする必要なんてないのです)。

 

「年収が高くて働きがいもある」職場は案外見つかる

山崎俊輔
<「働きがい」より「年収」を重視>

「働きがいがあって年収が低い職場」から飛び出すことを恐れている人が気がついていない可能性がひとつあります。それは「働きがいがあって年収も高い職場」もあるということです。

年収が高い職場に働きがいがないと決めつける必要はありません。たしかに、「仕事の楽しさを後回しに、とにかく稼ぐ」という選択肢もあります。

しかし、意外に思えるかもしれませんが、年収がアップしたうえに、仕事の世界も大きく広がり、同僚との関係も円満な職場があったりするものです。

むしろブラックな体質の企業を飛び出したり、中小企業から大企業に転身してみると、そのホワイトさに驚くことがあります。

やはり、目の前の「働きがい」は優先するべきではなく、「年収」を取ってもいいということになります。もちろん、働きがいは低下して年収アップを選ぶこともあり得ます。

しかし、ブラック企業で100時間残業させられるくらいなら、年収アップを得たうえで同じ残業をしたほうが価値があります(将来のFIREにも一歩近づけます)。

「働きがい」か「年収」か、悩んだらまずは「年収」を選ぶことをFIREでは考えてみましょう。

 

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