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スタンフォード大卒の韓国系ラッパーが作った「BTSのはじまり」

萬代悦子

2022年02月01日 公開 2024年12月16日 更新

スタンフォード大卒の韓国系ラッパーが作った「BTSのはじまり」

欧米でも高い評価を得る韓国HIP  HOPグループ EPIK HIGHのリーダーのTABLO(タブロ)。その TABLOの言葉を1冊にまとめた書籍『BLONOTE』が2022年2月に出版される。(オリジナル初版は 2016年に韓国で出版)

BIGBANG、ZICO、WINNER、そして2022年、第64回グラミー賞の最有力候補・BTSなど……TABLOをリスペクトするK-POPアーティストは数知れず。韓国の多くの若者から共感を得るTABLOの抒情的な詞が 韓国の音楽に与えた大きな影響とは?

 

BTSの源流はTABLOにあった?

現在、世界を席巻する韓国ポップカルチャーの先駆者的存在であるTABLO(タブロ)をご存じだろう か。韓国を代表する人気HIP HOPグループEPIK HIGHのリーダーであり、メインラッパーでありプロデューサーであるTABLOは、その独特で文学的なリリックで多くの若者をポップミュージック界へ誘 った。

韓国の音楽シーンに於いて、TABLOがアーティストたちに与えてきた影響は計り知れない。

なかでも、ワールドクラスのアーティストとなったBTS(防弾少年団)のリーダーRMは、小学生の時 にEPIK HIGHの曲に出会い、TABLOの詞に心を大きく動かされ、それをきっかけに詞を書きラップを することに夢中になったと語る。

また、同じくBTSのSUGAも、子供の頃からEPIK HIGHの曲を聴きヒップホップにハマり、音楽で身を立てることを決心するようになった。

そして2019年には、TABLOが作詞・作曲した韓国を代表するシンガー、イ・ソラの曲『Song Request』にフューチャリングで参加。更にはEPIK HIGHのアルバム『sleepless in__________』に参加 するなど、憧れの存在だったTABLOとコラボレーションするアーティストという関係にまで上り詰めたのだ。このSUGAの成功ストーリーは、喜びを持って今でもBTSファンの間で語られている。

 

スタンフォード大学を卒業後の紆余曲折

日本では知らない人も多いであろうEPIK HIGHだが、韓国ではトップクラスの人気を誇るアーティストだ。

欧米でも高い人気を得ており、ビヨンセやカニエ・ウェストらトップクラスのアーティストが参加するアメリカの音楽フェスティバル『コーチェラ』にも、今年で3度目の出場を果たす予定である。そして、このEPIK HIGHのリーダーを務めるその人こそ、TABLOなのだ。

TABLOは、韓国で生まれた後に、インドネシア、スイス、香港、カナダと様々な国に移住し、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーにあるセントジョージズスクールに通った。

その後、名門スタンフォード大学へ進学し、作家トバイアス・ウルフの教えのもと、創作文芸・英文学科を主席で卒業した後、英文学科の修士課程を修了した秀才だ。TABLOが在学中に執筆した短編小説集『あなたのかけら』はトバイアス・ウルフに絶賛され、文学界でちょっとした話題にもなった。

その後、演劇、文芸誌、短編映画などさまざまな活動を経て、ニューヨークで独立映画の助監督として活動していた頃、ハーレムでの生活をきっかけに音楽の世界に足を踏み入れるようになる。

その後、韓国に帰国し、メンバーとなるMITHRA JINとDJ TUKUTZに出会い、2001年にEPIK  HIGHを結成。韓国のアンダーグラウンドシーンで活動をスタートさせ、紆余曲折を経て現在の地位を確立する。

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韓国の若者たちの心を動かしたTABLOの「言葉の力」

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