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生き方

「小さなことでクヨクヨ」の繊細さんが、自分を変えるためにしたこと

武田友紀(心理カウンセラー)

2022年03月23日 公開

 

例外を問うてみよう

では「自分の心を自分で守る」って、具体的にはどうしたらいいのでしょう?

いくつか方法があるのですが、簡単でおすすめなのが「例外を問う」というものです。これは、解決志向ブリーフセラピーという心理療法の技法から、ごく一部を取り出したもの。

失敗したり、まわりからなにか言われて落ち込んだりしたときに、「もしかして、そうじゃないこともあったんじゃない?」と自分に問いかけてみるのです。

例をあげますね。待ち合わせに遅刻して、「また遅くなっちゃった、どうして私ってこうなんだろう」とぐるぐる考えたときは、「これまでの人生で、もしかして1回くらいは間に合ったこともあるんじゃない?」と自分に問うてみる。

同僚とギクシャクして、「私はいつも人間関係がうまくいかない」と落ち込んだときには、「ねぇ、もしかしてさ、人生で1回くらいは人と楽しく過ごせたこともあるんじゃない?」と自分に問うてみる。

すると、あら不思議。「そういえば、前々回は間に合ったな」「学生時代の友人とは仲良かったなぁ」など、「うまくいった場面」がぽこぽこ浮かんできます。真っ暗だった心に光がさし、ほっと一息つけるのです。

「もしかして」「人生で一回くらいは」など、思い切りハードルを下げて問うのがポイントです。

 

元気な時間が増えていく

人間は、問われると、答えようとします。

「なんで私はこんなこともできないの?」と問えば、自分の悪いところや原因らしきものに意識が向いて、落ち込みます。「もしかして、できてるときもあったんじゃない?」と問えば、「あれ、あったかも? そういえば、あのときは大丈夫だった」と、うまくいった場面が浮かんでくるのです。

問うことで、「私なんて全然ダメだ」と真っ暗だった気持ちが少しだけ明るくなる。これは、オセロのコマをひとつ、黒から白へひっくり返すようなものです。

ひとつひとつは「小さなこと」でも、何度もコマをひっくり返しているうちに、あるときパタパタパタッと、黒が白へと一気にひっくり返るときがきます。

「なんだかいつも不安」だった状態が、「たまに落ち込むこともあるけど、全体的には大丈夫」という状態へ逆転する。安心して過ごせる場面が増え、たとえ落ち込んでも、回復するまでの時間がぐんと早くなるのです。

ということで、落ち込んだときには、「もしかしてさ、人生で一回くらいは、そうじゃないときもあったんじゃない?」と自分に問いかけてみてください。

穏やかで元気な時間が、少しずつ増えていきますよ。

 

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