5%しか使えていない脳を「無限に」活用する考え方
2022年07月26日 公開
意識して使える脳のエネルギーは、たった5%
こうしたエネルギーの無駄遣いや、使えるエネルギーが減らされることは、誰にでも起こります。そもそも、これは脳の性質です。
私たちは、日々さまざまなことを感じ、考え、行動しています。
そんな私たちの脳が使えるエネルギーのうち、見た物や聞こえた音へ意識的に注意を向けたり、自ら意識して行動や思考をしたりするときに使えるエネルギーは、全体の何%を占めていると思いますか?
実は、わずか5%以下です。
じゃあ、その他95%のエネルギーを使って、脳は一体何をやっているの?と疑問に思ってしまいますよね。
95%のエネルギーは、無意識で行われる活動に使われています。無意識で行う活動とは、これから起こることを予測して備えたり、記憶を固定または消去したりといった、私たちが日々生活しながら成長していくうえで重要な役割を担っています。
ところが、この無意識な脳活動の中身は、エラーだらけなのです。
過度なスマホ確認は「めんどくさい」を加速させる
95%のエネルギーを有効活用するために、考え方をセットしておきましょう。
その考え方とは、「脳内で使える資源は有限、資源の組み合わせで実現できることは無限」ということです。
脳の中でエネルギーを消費する神経は、神経細胞と、神経細胞から情報を伝達する配線である神経線維で構成されます。
MRIで脳の画像を撮ると、神経細胞の集まりは灰色っぽく見えて、配線部分は白っぽく見えるため、神経細胞の集まりは灰白質、配線である神経線維の集まりは白質と呼ばれます。脳全体の消費エネルギーの95%は灰白質が占めています。配線部分ではエネルギーはほとんど使われていません。
つまり、できるだけ少ない神経細胞で、できるだけ情報が抜け落ちることなく表現することができれば、少ないエネルギーで大きな成果を上げることができます。
ここで改めてセットしておきたい考え方は、脳の活性化=多くの神経細胞を使うこと、ではないということです。むしろその逆で、脳の活性化=できるだけ少ない神経細胞を使って多くの情報を表現することだとセットしましょう。
めんどくさいことに悩む人は、たくさんの情報を得るほど脳の力は高まる、と考えている人が多いです。
レジ待ちのほんの数秒や人の話を聞いている最中、トイレ中でも、ちょっとした隙があればスマホを見て脳に情報を入力する……これは、隙間時間を活用しているように見えますが、実際には、デジタル情報によって灰白質のエネルギーが奪われています。