遅刻したことを「電車の遅延で正当化する人」が嫌われる理由
2022年08月15日 公開 2023年01月11日 更新
まず謝れば、理由を聞いてもらえる
では、こちらに非がなかった場合も謝るべきなのでしょうか?
たとえば、先方がきちんと日程の連絡をしていなかったせいで、打ち合わせに参加できなかったとします。そのときつい「いや、連絡がなかったんで...」「日程なんて聞いてましたっけ?」と言いたくなります。しかし、これが得をするかというと逆でしょう。印象は悪くなるだけです。
もし相手に非があったとしても「打ち合わせに出られずにすみません」と伝えるべきです。そのうえで「私のほうもきちんと日程の確認をしておくべきでした」と付け加えればいいのです。
仕事のトラブルの際に考えるべきは「どちらが悪いか」ではありません。「どう話せば得か」だけを考えればいいのです。「なぜ?」と聞かれても理由を答えてはいけない。
「言い訳」というのは本当に意味のない行為です。人を叱るときのフレーズに「なんでこんなことしたんだ!」というものがあります。質問を真に受けて「『なぜしたのか』についてですが、理由は3つありまして...」などと答えようものなら「言い訳をするな! 」と怒られるのがオチです。
この場合は、理由を聞かれているわけではありません。「なんでこんなことしたんだ!」に対する得する応対は、ひたすら「すみません」と謝る。ただ、それだけです。
「言い訳」というのは、どんな場面でもプラスにはならないのです。とにかくコミュニケーションが円滑に進み、得をする選択肢を選ぶべきです。
まずは「すみません」のひとことを言ってから、理由を言うようにしましょう。謝るのが先、理由はあと。これが「得」する話し方です。
すぐに問題点ばかり指摘する人
プレゼン資料をまとめて上司に見せにいきました。「うーん、まず1枚目のここだけど、なんかデータないの? データもなしにこんなことは言えないよね。あと最後のところだけど図が雑だな。やり直して」
こんなことを言われたらどうでしょうか? やる気はなくなってしまうでしょう。これは、「損」な話し方です。
では、こういう話し方だとどうでしょうか? 「お! ありがとう。早いね! 1枚目のところ、データがあるとよりいいけど、うまくまとまってると思うよ。この辺もう少し丁寧に図を置こうか」
きっとうれしいはずです。これは関係者みんながやる気になる「得」な話し方だと言えるでしょう。ポイントはいくつかあります。
まず「いいね」「ありがとう」と言うことです。どんな仕事であっても、仕事を仕上げてきてくれたら「いいね」と認めて「ありがとう」と感謝する。仕事のできがどうあれ、まずポジティブな発言から入りましょう。
一方で、修正してほしいところが出てきたらどうすればいいでしょうか? 先の例にもあるように「ここを直してくれたら、よりいい」という言い方をしてみましょう。
「ここがダメ」「ここが間違ってる」ではなく「こうしてくれたらよりよくなる」という指摘の仕方だと相手も気持ちよく受け入れてくれます。「ネガティブな面を指摘する」のではなく「いい方向に持っていく」クセをつけましょう。
よく電車内で子どもに対して「大きな声で騒がない! 」と怒っているお母さんがいます。しかし、そう言えば言うほど子どもは大きな声で騒いでしまいます。
そういうときは「やさしい声で話そうね」「静かな声で遊ぼうね」と言うのが効果的。同じように仕事でも、悪い部分を指摘するのではなく、持っていきたい方向に誘導するわけです。
デキる人はポジティブチェックをする
部下が作成した書類を確認するとき、間違いや内容の漏れなどの「問題」をチェックするのが「ネガティブチェック」。
一方、うまく説明できているところ、表現が工夫されているところなどの「いい点」を探すのが「ポジティブチェック」です。
ネガティブチェックばかりしている限り、部下にかける言葉はよくて「問題ないね」でしょう。一方、ポジティブチェックをすれば「ここはよく書けているね」「短時間でよくまとめたね」といった言葉が出てきます。
ポジティブチェックを身につければ自然とネガティブな言い方は減っていき、まわりからも信頼され、仕事が楽しくなっていき、デキる人に近づくはずです。