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生き方

「なんでも反対する」は目立ちたいから?...自己中な人の未熟な心理

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年07月06日 公開 2022年08月09日 更新

「なんでも反対する」は目立ちたいから?...自己中な人の未熟な心理

人の話は聞かない、失礼なことを言う...世の中には、そんな自己中心的な人が存在します。こういった人にはどのように接すればよいのでしょうか。目白大学教授の渋谷昌三氏に自己中な人への対処法をうかがいました。

※本記事は渋谷昌三著『「めんどくさい人」の取り扱い方法』(PHP文庫)の一部を抜粋、編集したものです。

 

人の話を聞かずに、自分のことばかりしゃべる人

会話をしていると、すぐに自分の話にしてしまう人に、ムッとした経験はありませんか?

「昨日テレビで見た温泉宿、泊まったことがあるんだけど、よかったわ。お料理もおいしくて...」
「あら、そう。私が去年泊まった宿はね...」

といった調子で、すべて自分の話したいことにすり替えてしまいます。

こういう人と話をしていると、「今から本題に入ろうと思ったのに」と欲求不満が残り、ちっとも会話が楽しくありません。「またあなたの話の聞き役?」と、うんざりした気分になります。

こんなふうに話の腰を折る人には、2つのタイプがあります。1つは、話をするのが楽しくて、ついしゃべってしまう子どもみたいな人。家族など、身近な人との会話があまりなく、寂しい思いをしている人などにありがちで、誰かと話す楽しさにはしゃいでしまい、相手がどう感じているのかまで、気が回りません。

もう1つは、短気で、面白くない話だと思うと、聞くのがすぐにイヤになるタイプです。誰もがそうそう面白おかしく話せるわけではありません。それでも、相手の話はなるべく遮らないで、最後まで聞くのが礼儀というものですが、気が短くてイライラする人は、

「なるほどねえ、それはそうとね」などと、すぐに話を変えようとします。相手のつまらない話よりも、自分の話の方がよっぽど面白いと思っているのでしょう。

こういう人もまた、自分の思いのままにならないとジタバタと騒ぐ、堪え性のないきかん坊と同じ精神構造だといえるかもしれません。

この人は子どもなんだ、と思い、適当にあいづちを打って、話題を変えてしまいましょう。

 

失礼なことを平気で言っちゃう人

Aさんが上司の新築祝いに招かれたときのことです。ダイニングテーブルには、おいしそうなご馳走が並び、お皿やグラスなども、センスよく統一されています。

そのとき、Aさんが不意に「これは便利でいいですねえ!」と大きな声で言いました。手に握られていたのは、大皿料理に添えてあった、キッチンで使う大ぶりのお玉。パーティ用にしつらえたテーブルにはいささか不釣り合いなものでした。

上司の奥さんは「サーバースプーンがなくて、ごめんなさいね」と、赤い顔で決まり悪そうにしています。しかしAさんはまったく意に介さず「便利だなあ」と、何度も繰り返し、周囲が白けているのにも気づいていません。

「少しは空気を読め!!」そこにいた皆が、心の中でAさんに向かって、そう叫んでいました...。その場の空気を読めない人というのは、本当に困りものです。「今それを言わなくてもいいだろう」というような、会話の相手が嫌がることを、平気で口に出します。

こういう人は、自分自身を客観的にながめる「セルフ・モニタリング(自己監視)」能力が、通常より欠如している場合が多いようです。この能力が低いと、たとえ周囲から浮き上がっていても、冷たい視線で見られていたとしても、本人は気づきません。

どんなに周りが注意をしても、セルフ・モニタリングできない人を改善することは、なかなか難しいようです。

仕事上など、どうしても必要な場合は「得意先の前では、こういうことは言わない」「酒の席では、なるべく口を慎む」など、相手がはっきりとわかるような決まりを作るのが効果的なようです。

また、相手の言うことに腹が立った場合、ムッとしていても、まったく伝わらないので、「こういうことを言われると、こういう理由で腹が立つのでやめて」と、ハッキリ伝えることが大切です。

「こういう場合は、こういうことは言わない」と、具体的な表現で、事前に決まりを作ってしまいましょう。

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「でも」「だけど」と、必ず横やりを入れる人

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