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面倒な仕事の「先送り癖」が直らない理由

マーク・フォースター(著)、青木高夫(訳)

2022年09月06日 公開 2024年12月16日 更新

面倒な仕事の「先送り癖」が直らない理由

人の脳には、本能に従う「衝動の脳」と計画を立て実行する「理性の脳」の2つが備わっているといいます。しかし、残念ながら両者が葛藤を起こした場合に勝つのは「衝動の脳」です。

では、直感的に「嫌だな」と思ってしまうことを計画的に進めるにはどうすればいいのでしょうか。英国のビジネスコーチ、マーク・フォースター氏は、衝動の脳をダマし、理性の脳を優位に動かすための「コントロール・システム」が必要だと指摘します。

本稿では、同氏の画期的なタイム・マネジメントの書としてイギリスでベストセラーになった「Do It Tomorrow」の翻訳版『携書 明日できる仕事は今日やるな マニャーナの法則[完全版]』より、優れたシステムの特徴を解説した一節を紹介します。

※本稿は、マーク・フォースター著、青木高夫訳『携書 明日できる仕事は今日やるな マニャーナの法則[完全版]』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「集中すること」があなたを作る

「集中の対象が、あなたの生きる環境になる」という法則があります。もしも、あなたが何に集中することもなく、ルーズな毎日を送っているだけなら、人生にもそれが反映されて、あなたは何者にもなれないでしょう。

テレビを見ることに毎日集中していれば、テレビ番組に詳しくなり、それ以外の知識は得られません。フィットネスに集中すれば、スリムな体型を保てるでしょう。仕事に集中すれば、仕事の質が高まり、優秀なビジネスパーソンになれるはずです。結婚に集中すれば、幸せな結婚ができる可能性が高くなるかもしれません。

「集中すれば、失敗しない(嫌な目に遭わない、邪魔が入らない)」とは言えません。むしろ、失敗が増えるかもしれません。

しかし、それはリスクを負って、新しいことにチャレンジした結果です。それに、失敗したとしても、適切な集中力が発揮できていれば、対処を誤ることはありません。

人間の脳は、情報の選択が得意。適切な対象に集中できれば、とてつもない能力を発揮できるのです。ですから、どうでもよいことや、目先の仕事にだけ集中している人を見ると、私はとても残念に思うのです。

ただし、「集中する」のは心構えだけで何とかなるものでもありません。集中できるようになる条件がいくつかあるのです。

 

問題は「集中できないこと」ではない!?

「集中」についての問題とは「集中できないこと」ではありません。

例えば、自宅でくつろいでいる時にもあなたは集中力を発揮しています。テレビ、庭の観葉植物、クルマ、仕事のこと、家族との会話...、と集中の対象が次々に移り変わっているだけなのです。

しかし、このように「気になった時だけ集中して、後は知らない」という状態では、そこで得られる結果もその場だけのものです。

つまり、問題はあれこれ集中の対象が変わってしまうことです。邪魔が入れば、すぐに途切れる集中力ではダメで、脳の力をフル活用するには"集中力の継続"が必須です。

仕事がうまくいかない理由の大半は「充分な集中力が継続しないこと」にあります。成功の理由は、その反対、つまり「充分な集中力を継続したこと」です。

庭の手入れでも、会社の仕事でも同じです、やり遂げたい仕事に対し、充分な集中力を継続して発揮できるかどうかが鍵なのです。

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問題を先送りする“抵抗感”の正体

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