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中小企業の底力!「技術と義理人情」が日本を支える

橋本久義(政策研究大学院大学教授)

2012年04月13日 公開 2022年12月26日 更新

橋本久義

日本には、紹介した企業のように、経営者が命を懸け、技術者が寝食を忘れるほどに没頭し、得意先のためなら時間と利益を度外視してでも尽くすというところがゴマンとある。

それが本当の日本的経営というものではないだろうか。私はそう思う。

日本の技術はすばらしい。福島での事故があったというものの、原発だって日本企業の技術がないと成り立たない。以前、原発の受注で韓国に負けたということがあったが、その韓国ですら、原発の心臓部については日本の企業に発注してこなければ原発は建設できないのだ。

また、これから注目されるであろう海水淡水化技術、航空機技術だって日本企業が確たるものを握っている。

しかもそれは大企業だけでなく、紹介したような地方や地場で地道にがんばっている中小企業が技術を担い、日々、開発や向上に取り組んでいるのだ。

私は、このような企業が日本にある以上、また仕事に命を懸ける風土が日本にある以上、この国は大丈夫だと思っている。

 

 橋本久義(はしもと・ひさよし)
          政策研究大学院大学教授


1969年東京大学工学部を卒業し、通産省入省。鋳鍛造品課長、中小企業技術課長、立地指導課長、総括研究開発官などを歴任。当時から「現場に近いところで行政を!」をモットーに、16年間で2600以上の工場を訪問。全国の中小企業の現場を訪れて、技術者・経営者の意見を聞いてきた。発展途上国の産業発展、中小企業の活性化をメインテーマに研究に取り組んでいる。「日本の中小企業は世界最強」「中小企業は日本のまごころ、世界の宝」と説く。1994年埼玉大学教授、1997年から現職。著書に『町工場の底力』『町工場が滅びれば日本が滅びる』(以上、PHP研究所)『早わかり! 図解知っておきたい!! 放射能と原子力』(監修、綜合図書)『町工場こそ日本の宝』(共著、PHP研究所)など多数。

 

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